晩秋の襲 [水彩画とスケッチ]
12月に入り、しばらく風の強い日が続いた。
この風に負けて楓の葉も落ちてしまったかもしれない、
でも、そろそろ見ておかないと、、、
6日の土曜日、そんなことをつらつら思いながら、
鎌倉は二階堂の奥、獅子舞の谷へ向かう。
紅葉のピークを迎えた枝もあれば、
まだ緑の色素が元気なもの、そして黄と橙色、
そんな色達が重なる。
襲の色目というのも、こんな光景にヒントをもらい、
その洗練の度合いを磨きに磨いて生まれたものだろう。
「紅葉」と名の付いた襲もたくさんあるし。
ちなみに「紅紅葉」の襲は、
・紅・淡朽葉・黄・濃青・淡青・紅、となっている。
逆光越しに浮かび上がる色の輝きは、やはり美しい。
そのなかでも、紅と深緑のコントラストがひときわ目を惹くエリア、
ここが獅子舞の紅葉のハイライトスポット。
みんな無言でカメラのレンズを向ける、
足の踏み場もない、いやレンズの向け場もないほど。
その場の空気を読んだワタシは、何回かシャッターを押し、
あとはじっと立ったまま、ただ葉色を眺める。
とにかくこの状況では、スケッチなんてとても無理、
ボーッと立っているだけでもカメラマンには邪魔かもしれないし。
獅子舞の谷は鎌倉鶴岡八幡宮の北東、二階堂川の源流近くにある。
そこへ向かうにはちょっと山道を歩くけれど、
そろそろお終いの紅葉に好天の土曜日が重なったこの日、
訪れる人はもちろん多い。みんな、秋の終わりを感じたいのだ。
さて、
妙本寺の二天門脇の楓が見頃に、とFacebookに載っていた。
明日か明後日には、、、
『晩秋の襲』
F6(40×31cm) Waterford white・水彩