七里ヶ浜にて [日々の記録]
10月最後の日没。
無風、暑くもなく寒くもなし。
夜の気配が忍び足で近づく頃合い、
トンビは雲の翼に負けじと舞い、人々は夕暮れを見つめる。
10月31日、鎌倉市七里ガ浜・行合橋河口にて
秋日記:逗子・池子の森・11月13日 [日々の記録]
目黒に住んでいたころ、代々木公園によく出かけた。
自宅から自転車に乗って約2.5キロ、
人工物が目いっぱいに詰まった都内では、息の抜ける貴重なエリアだ。
ご近所さんに教えられて向かった「逗子・池子の森自然公園・緑地エリア」。
ここも(今の)自宅から自転車で2.5キロ。
明るく開放感のある広場と周囲の森との対比、ため息が出るほど素晴らしい。
ここは戦前から時代の波に揉まれ続けたエリアであり、
今も米軍からの返還運動が続いている。
その歴史的な経緯はともかく、この自然が残されたことは素直に喜びたい。
上の写真は13日の朝。小川から立ちのぼる水蒸気がユラユラ、とても音楽的な光景。
紅葉の彩りを期待して夕方にも訪れたが、
直前まで出ていた陽差しは雲に遮られ、光の演出はいまひとつ。
それでも晩秋の楽しみがひとつ増えたことは嬉しい。
ま、次回に期待しよう。
ただ、土・日・休日のみの開園とは残念、毎日でも通いたいところなのに。
「節絵」ってナニ? 「1:1+√2」って? [絵の周辺と展覧会]
鎌倉で開かれている「節絵展」を訪れた。
節絵って何?なんとなく見当はつくけれど、ほとんど知らない世界。
なにごとも素直な目で見るのがいちばん!と、まずは予備知識を持たずに向かう。
目当ては7月、由比ガ浜で開かれた『すみわたらむ』、
そのときに印象深かった天内純子さんの日本画。
この天内さんはじめ“平面作家”13名と“台座作家”の
計26名の作家の組み合わせによる四季の設え、あるいは新しい床の間とも。
日本家屋の柱を意識したサイズと飾り方、この視点は興味深い。
といっても自宅に柱は無く、それよりなにより床の間もない。
それでも、この小さな世界が折々の日常に
新鮮な空気を届けてくれそうな、そんな予感もする。
(平面作品の実サイズは天地21.7cm×左右9cm)
ところで、短冊にも似た細長い「節絵」のプロポーションは「1:1+√2」の白銀比。
この数字から得られる矩形は仕事でも幾度となく使ってきた。
ところが、それを「白銀比」としてきちんと意識することはほとんど無かった。
何十年もグラフィックデザインの世界にいるが、これではモグリと言われても仕方がない。
気持ちを新たに「節絵」プロジェクトのメンバーの方から詳しい話しを伺い、
初めて知ったことも多々、、、あぁ、ベンキョーせなあかん!
これまで水彩紙の定型を、何とはなしに受け入れてきたけれど、
さてこの白銀比に自分なら何をどう表現するのだろう?
そんな新たな感心が湧いてくる。
12月4日まで・場所は鎌倉彫会館 *Facebookに「節絵展(2016冬春)」有り。