林試の森の欅 [水彩画とスケッチ]
秋の薄日の差す昼過ぎ、まだ若いケヤキを描く。
場所は林試の森公園。
このちょっと変わった名前はかつての「林業試験場」の略。
目黒区と品川区にまたがるこの公園は、
樹木の数も多く、その種類もとうぜん多い。
おもだった木には解説のプレートが付いている。
名前を知ったからといって何かが分かるわけでもないが、
それでもその先の糸口にはなる、これはありがたい。
園のすぐとなりには目黒不動、
近くにはひっきりなしにクルマの走る山手通りがある。
街中で林の落ち着きを味わえるこの場所は、そのクルマ道からもすぐ。
ここは隙間のない都市にとっての必要空間。
欅・林試の森公園
F8(46×37.5cm) ホワイトワトソン・水彩
秋の日の駒沢公園 [水彩画とスケッチ]
暖かい土曜日(といっても11月の12日)、駒沢公園へ。
久しぶりの自転車も、ひと漕ぎすればじきに到着、約5キロ。
園内のサイクリングコースをぐるっとひとまわり、
週末はランナーの数が多い。
みな走る、走る。
映画『卒業』のラストシーン近く、エレーンの結婚式に駆けつける姿、
脱げ落ちそうなマウンテンパーカーが格好良かった。
公園で怪我をした息子のビリーを抱きかかえて
走る、走る、『クレーマー・クレーマー』。
ダスティン・ホフマンの走る姿はなぜか記憶に残る。
のどかな陽差しを浴びて走る人々を見ていたら、
そんなダスティン・ホフマンのイメージが浮かんだ。
卒業もクレーマー・クレーマーも、そのシーンは秋だったのではないだろうか?
少なくとも真夏と真冬ではない、うん、やっぱり秋がいちばん似合う。
ふと頭の中に響く“Sound of Silence”、もう40年以上も昔の記憶。
駒沢公園
F8(46×37.5cm) ワトソン・水彩