今ごろになって葉桜、鎌倉・光明寺。

霧雨に濡れながら、ポッポッと咲く紫陽花の花、
乳白色の光の中で控え目な薄紫が浮かぶ。

そんな時期に何とも季節はずれな桜の絵。
場所は鎌倉の材木座にある光明寺。
ここは桜の名所としてもよく知られていて、
年季の入った木々に咲く桜は見応えがある。

が、今年はその見頃を外してしまい、
慌てて訪れた日（４月12日）は、すでに葉桜・・・
いつでも歩いても行ける距離、
その安心感がチャンスを逃したのかもしれない。

見たのも遅ければ、描くのも時期外れ、、、
来年は外さないようにしよう。

『鎌倉・光明寺の葉桜』　
F６（31.5×39.5cm） Montval CANSON 水彩

霧の朝、逗子・小坪港。

寒さが緩んだ春先のある日、濃い霧が逗子を覆った。
近所の丘も家並みも、乳白色の湿った空気の向こうに隠れたまま。
思い立って、小坪港の様子を見に行く。
濃霧のピークは逃してしまったが、
それでも、いつもとは違う白灰色の光景を見せてくれる。

海を仕事場にしている人々には迷惑な霧かもしれないが、
幻想的な光景はまるで映画のワンシーンのようだ。
晴れ上がった明るい空は気持ち良いが、
ときには、この朝のようなアンニュイなシーンも良いもの。

『霧の朝』
F６（40×31.5cm）ホワイトワトソン　水彩