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スケッチ、海辺の大島桜。 [水彩画とスケッチ]

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思い返すと4月の2日は貴重な晴れの一日だった。
その春らしい午後のひととき、披露山公園に桜の様子を見に行く。

ソメイヨシは、これはほぼ満開。
そんな主役級を横目に見ながら、
斜面に一本だけ立っている大島桜に目を向ける。
主役の座は染井さんに譲っても、こちらも見事な花を咲かせている。
そして、葉山の海を見下ろして立つ姿がなんとも好ましい。

ともあれ、すぐ目の前のベンチに腰をかけてスケッチをはじめる。
もちろん、この美しい桜も人を集めるわけで、
立ち止まって眺める人、カメラを向ける人、
そんな人々のすき間越しにササッと一枚描いてみる。

海からの風はまだちょっと冷たいけれど、
やはり陽差しの下で描くのは気持ちがよいもの。

あれっ!水平線がちょっと傾いている。
サッと描くスケッチには、そんなこともあるのだ。

『大島桜のスケッチ』A4(30×21cm)

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ブルックナーに引き込まれて。 [聴く・クラシック音楽]

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ブルックナーの第7交響曲を繰り返し聴いている。
外出時はスマートフォンのファイルを聴き、
クルマに乗ればCDをセットして、
デスクに座ればパソコンの貧弱なスピーカーを通し、
そしてたまにはタンノイを鳴らして、とにかく四月はブルックナー漬け。
(いまも、Youtubeからショルティとシカゴシンフォニーのライブ録音が流れている)

4月になってから時計の針が逆戻りしたような寒さが続いている。
雲は切れ目なく空を覆い、
ときおり現れるわずかな明るさもさらに広がることは無く、
そのまま厚い雲に呑み込まれる。

そんな空模様とブルックナーにどんな関係があるか分からない。
いや関係などまったくない。
でもしかし、あの雲の向こうにはきっと明るい光があるはず、
というごく平凡な感想と、ブルックナーの旋律や音色が
何とはなしに結びついてしまう。

パウル・ベッカーは(*)
“ 芸術(音楽)体験において、人はあらかじめ自分の
 中にあるものを再認識しているだけなのだ” としている。

さらに、
“ ・・・一見新しく見えるものも、実はこれまで意識して
 こなかったものが突如として意識されるようになっただ
 け、以前から暗がりの中でまどろんでいた内面の領域に
 突如として光が当たっただけなのだ・・・”と。

さてさて私のどこにブルックナーの7番に反応する因子があったのだろう。
などと考えながら、またスケルツォの響きとリズムに呑み込まれる。

(*)岡田暁生『音楽の聴き方』より引用
  実はこの本、けっこう難しくて確かに読んだものの、
  頭に残っているものは極めて少ない。要再読である。

Youtubeに比較的に音質の良い演奏があります。関心のある方はどうぞ
ブルックナー 交響曲第7番 ホ長調
カラヤン/ウィーンフィル 録音:1989年

第1楽章 アレグロ・モデラート(19分40秒)

第2楽章 アダージョ(23分15秒

第3楽章 スケルツォ(10分11秒)

第4楽章 フィナーレ(13分00秒)

*写真は4月7日の横浜・赤レンガ倉庫 冷たい雨と強い風、ほとんど真冬の天候。
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桜日和、横浜・大岡川。 今年の桜・1(?) [水彩画とスケッチ]

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今年の四月、冷たい雨と風ばかりが吹いていた。
たまに晴れてもタイミングが合わず、花見もしないまま時は過ぎ、
人の都合などお構いなしに桜は散っていく。
それでも “ 今年の桜 ” はなんとか描きたいもの、去年は失敗だったし。
そして、写真を見ながら思い出し描きを一枚。

場所は先月の展覧会の会場の裏手を流れる横浜の大岡川、その桜並木。
会のはじめ頃は2~3分咲きだった染井吉野が、終わる頃にはほぼ満開になった。
結局、この場所で見た桜が今年の “ いちばん ” だったかもしれない。
カメラ、といってもスマートフォンだけれど、
ともかくレンズを向けておいて良かった。

“ 今年の桜 ” は消化不良のまま終わってしまった。
それでも、走る車の中から横目に眺めた丘の桜、
電車の窓越しに一瞬見えた光に満ちた桜、
端正な表情が印象的だった海辺の大島桜、
そんな光景と過去の記憶が重なって、
桜を描いてみたいという気持ちは、かえって強くなった気がする。

さて、「桜・その2」を描いてみようか?
小さなスケッチとこの桜だけでは物足りないし。

『桜日和』
F6(42×32cm)水彩

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