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「すみわたらむ」日本画と木彫の二人展。 [絵の周辺と展覧会]

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ブログの記事を拝見して訪ねた作品展。
JFさん、ありがとうございました。

明と暗、粗と密、静と動、、、それらはどんな表現にも欠かせない対比の概念。
絵画などの視覚表現はもちろん、音楽でも言葉の世界でも欠かせない。
肝心なのは、お互いがお互いを引き立てる関係になっていること。
対立ではなく対比。

吸い込まれそうな水の波紋、そこに見える静かなエネルギーと情感。
静謐でありながら、はっきりと聞こえる水の音、
これは天内純子さんの日本画(というジャンルも気にならないけれど)。

時に肉感的にも見える木の持つ原始的な生命力、
木はこんなにも雄弁に命を語っているのだよ、
と、目の前に見せてくれる木彫作品。作者は古川葉子さん。

そのお二人の作品の対比が、五感を心地良く刺激する素敵な作品展だった。
心地良い海風が吹き抜ける会場の古民家スタジオも、うってつけの舞台装置だ。
畳に座って、出来ることなら寝そべって見たい、
そんな居心地の良さを感じる展示だった。
なにより「二人展」の意図・意味がはっきりと伝わってくる、これが良かった。

『すみわたらむ 天内純子×古川葉子 日本画・木彫二人展』
鎌倉は由比ガ浜大通りの「古民家スタジオ・イシワタリ」
http://ishiwatari.jimdo.com/
会期は10日(日)まで。
さほど暑くなかった昨日、訪ねて良かった。

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鎌倉の海と“Becom Ocean” [日々の記録]

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日曜日、ペダルを漕いで海辺の公園へ。
今どきにしては珍しい乾いた空気が気持ち良い。

場所は逗子マリーナ横の飯島公園、50歩も歩けば鎌倉。
そこについ最近サイクルステーションが出来た。
そのベンチの屋根が陽差しを遮ってくれる。
夏にはありがたい。

目の前には鎌倉の海越しに、由比ガ浜や材木座が見える。
ときおり風に乗って浜辺の賑わいも聞こえる(気がする)。
湖のように穏やかな海には、SUPがミズスマシのように浮かぶ。
ただ、水上バイクの爆音はちょっと気になるなぁ。

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そんな海を眺めながら“Becom Ocean”を聴く。
作曲はジョン・ルーサー・アダムズ、初演は2013年シアトル。
要するにばりばりの現代曲だ。

海と音楽といえば、
反射的にドビュッシーの「海」を思い浮かべる。
飜って、この作品には「いちばん新しい海はこれだ!」、
素直にそう納得してしまうエネルギーが溢れている。

深い海の巨大な水圧を感じさせる重低音と、
合間に見え隠れ、いや聞こえ隠れする水中の微かな波動。
切れ目無く演奏される42分は、いわば深海へのひとときのトリップ。

この日のような静かな鎌倉の海とは、ミスマッチかもしれない。
でも、その目の前の海も遙か彼方は大海に繋がっている。
ときに台風でも来れば、何千マイルをも越えて大きなうねりがやってくる。
海辺はそんな生きた海を感じる入口なのだ。

作曲も指揮も演奏も、こんなに高度な表現が出来るのか、と驚くばかりだし、
なんといっても現代音楽だけあって、
気持ち良く心地良いサウンドが耳をくすぐるわけでもない。
でも、海や自然に潜んでいる力を、私たちはまだまだ表現し尽くしてはいない!
そんなふうに思わせてくれる音楽と思う。

こちらはYoutubeにアップされたもの。
映像と5.1サラウンドの組合せが望ましい、とのことだけど、
MP3に圧縮された音源でもそれなりに楽しめる。
できればしっかりとしたオーディオシステムで、
あるいは、ある程度のパフォーマンスを持ったイヤフォンでどうぞ。

ジョン・ルーサー・アダムズのサイト、ここでも聴けます。

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