桜、2014年春。その1 [水彩画とスケッチ]
去年は満開のタイミングと諸事情の折り合いがつかず、
それと描く気力もなかなか湧かなかった桜。
もちろん、この気力問題のほうが重要なファクターなのだが、
そんな一年前を思い出しながら今年の桜、まずは一枚目。
ところは、逗子市と葉山町の境にある丘陵地、
その住宅街の中にある桜山中央公園。
この公園、地図上で見ると南北が100メートルと少しなのに、
その両端の高低差が50メートル近くもある。
かなりの急傾斜地にある公園なのだ。
敷地の中央には優に200段を超える階段があり、
それが園内を上下するの唯一の“路”となる。
まぁ、足腰の弱った方やベビーカーを押しながらでは、
花見もままならないわけで、
その点では誰からも愛される公園とは言い難いかもしれない。
それはともかくとして、
その階段の一段ごとに変わる花景色には目を奪われる。
二、三歩降りて、あっ、一段戻ったほうが美しい、
いやもう少し下がったほうが、、、
そんなことを繰り返しながら目に映るのは、
動きを止めない光の粒子と、
まだ濃くなりきらない影が生み出す春の舞台。
当然のことではあるが、
ひと月前に比べ、空気の密度も一段と濃い。
園の比較的に低いところに明るく開けた広場がある。
美味しそうにお弁当タイムを楽しむ人たちを横目に、
そこからの眺めを描いてみる。
いつかは吉野の山の千本桜をこの目で見たいもの、
そんな突然の妄想が頭をよぎりながら。
桜を桜らしく描くのではなく、
満開の桜から受けた印象を描けばよい、
とは思うものの、やはり難しい。
さて、二枚目にとりかかろうか、な。
『桜、2014年春』
F6(40×31cm)ウォーターフォード・ホワイト 水彩