多摩川、五ヶ月ぶりに。：R e f l e x B l u e：So-net blog

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多摩川、五ヶ月ぶりに。　[水彩画とスケッチ] [編集]

　晴れた日曜日、花粉よけのマスクをして多摩川スケッチへ。最低でもF6サイズの紙に描きたいから自転車はお預け、素直に電車を使う。大きなスケッチバッグを背負って自転車で走るのは、気合いが充実してからだ。いや、この難行、実現は難しいかもしれない。
　それにしても絵の方はというと、これが泰西名画のような構図になってしまった。

　　東横線を多摩川駅で降り、目の前の多摩川台公園へ向かう。ところが、その階段を登るだけで早くも汗。マウンテンパーカーが邪魔になる。

　園内のそこかしこにスケッチびと多数、大半は中高年の方々。私は鉛筆スケッチに軽く色をつける程度だが、着彩までしっかりやれば半日くらいすぐに経ってしまう。そういう時間がとれる年代層はおのずと限られてくる。
　たとえば、小さな子どもがいれば、もちろん子どもと遊ぶ方が面白いし、求められる暮らし方でもある。私も30年くらい前は子どもと夢中になって遊んだ。そんな時に絵を描く時間など、そうそう持てるものでは無い。よって、スケッチに興じられるのは比較的に自由な時間を確保できる年齢層になる（のだろう）。
　もちろんそういった諸々と付き合いながら描き続ける人もいるわけで、これは詰まるところ、個の内での存在の仕方の問題なのだろう。
　この日は若い人も見かけた。が、このなんというかじっくり腰を落ち着ける遊びは、仮に時間的制約が無くても、ちょっとピンと来ないかもしれない。実際は、なかなかダイナミックな視覚的遊びでもあるのだけれど。

　小高い多摩川台公園を降りて川原に出ると、力強い一本の木に出会った。品の良いおぼっちゃまのような、きれいに植栽された街中の木を見慣れた目には、その無骨さが新鮮に映る。
　この近くの水門に平成19年９月の台風9号の最高水位が示されている。それを見ると、この木もたぶんしっかりと水に浸かり、いや浸かるなどという生易しいものでは無く、そうとうな激流に痛めつけらたはずだ。
　のんびりとした午後の日差しを浴びて立つ姿から、そのときの様子を想像するのは難しいが、でも性根の座った木であることは確かなようだ。
　対岸には、たぶんこの木の場所と変わらない高さのあたりに、ブルーテントが見える。今年、大きな水害が来ないと良いが。

　目を凝らすと、意外に大きな姿の富士山が見える。真冬の晴天時にくらべれば、うっすらとした霞のようなものだけど、ま、見えたことは良しとしよう。

＊
　思い返すと、ほぼ同じ場所をもっと高いところ（多摩川台公園）から描いたのが去年の10月。それから五ヶ月、見ること・描くことに、少しづつ慣れてきた実感がある。その間のおもに技術的な変化は、それはそれは楽しいものだった。この楽しさが、これからもずっと続くと良いけれど。

2009年3月15日
多摩川・丸子橋の上流700メートルほどの地点から等々力競技場方面を見る
F6（40×31cm）コットマン（中目）

タグ：水彩画多摩川台公園

2009-03-17 01:02 nice!(25) コメント(20)

nice! 25

絵で表現された多摩川公園は素敵です。今後も素敵な水彩画を期待しております。
by 一真 (2009-03-17 11:02)

お久しぶりです!(^^)!

流石に何を描かれてもプロですねぇ(^^)v
頭の中では「名画」が描けてるんですけどねぇ･･私も♪
by 風 (2009-03-17 12:57)

いつもながらの素晴らしい水彩画！江口さんの絵を見るのが楽しみです＾＾。
by Krause (2009-03-17 14:45)

そうですね。
私も絵を描き始めたのは、子どもが中学生になってからです。
家で絵を描いていても、邪魔されないですから。
by はじ坊 (2009-03-17 19:05)

春は何で好きかって？
もちろん、ピンクとブルーの世界だから。
空の青さに、花たちのピンクが心をくすぐります。
だれがなんと言おうと、ピンクとブルーの取り合わせが大好きです。
眠りの美女の最後の場面で、魔法使いたちが「ピンク」「ブルー」と、どちらも譲らずドレスの色が変わり続ける場面がいつも頭の中に浮かびます。
この木も、もうじきピンクのお花で満たされるのかと思うと、次の絵が楽しみになります。
by ｍａｍｉｒｅ (2009-03-17 22:21)

いつもコメント、刺激をありがとうございます！
貴重なご意見だったのでリンクさせていただきました。
事後報告ですみません。
これからもよろしくおねがいいたします(^o^)丿

多摩川。。masaの陶芸教室もこの界隈
馴染みがある場所だと、なぜか嬉しくなります＾＾
多摩川から見る富士山は大好き

変わりつつある等々力の地を見つめてる木
川にも富士にも負けず　この木は存在しているのですね～
今日、もっと下流、六郷の河川敷で火事がありました
自然災害にも負けないでほしい
気に入った場所で描く絵は　何枚描いても飽きないんでしょうね（＾ｕ＾）　
by masa (2009-03-17 22:47)

空がいい感じですねー。
本当にこういう色をしてると思います。
春の空なんでしょうかね。
河原はけっこう厳しい環境だと思うんですけど、この木はたくましいですね。
by HEIJI (2009-03-17 23:28)

絵で季節が解る・・・これって、凄いことだと思います。
冬枯れの木を見ると、冬かな～？と思いますが、水の色、草の色などで「あ、春が来た！」と・・・
by アキラ (2009-03-18 09:48)

絵を描くにも時間が要りますが
それ以上に感性がいるますよね。
ある年齢層になって感性が成熟して絵を描くので
見てる人にも何か感じるものがありますね。
川に竿が見えますがコイ釣りかな？
ゆっくりした時間を感じる絵です。
by 響 (2009-03-18 11:43)

落葉した木さんが見る景色。
優しい春の訪れも聴こえ始め…いい一枚ですね～♪
それと、落葉した木・雪を被った富士山。
この時期にしか描けない一枚ですね。
この界隈、↑masaさんも書かれますが、
陶芸教室の時に見る景色です。
私は、旦那とmasa教室の生徒でありました～。(^^ゞ
by ちか (2009-03-18 20:48)

◎一真さん
コメント、ありがとうございます。
だいぶ暖かくなってきました。
多摩川も、これから何度か描くことになるでしょう。

◎風さん
ご無沙汰です！
絵のほうは、ただいま修行中の身でございます。
私も頭の中には名画がいっぱいあります、
それが、線を一本描いた瞬間、筆を置いた瞬間に
見事に消えていきます。

◎Krauseさん
ありがとうございます。
これからも、せっせと描きますので、
またお越しください。

◎はじ坊さん
描くには絶対的時間もかかりますからね、
ある程度は条件が揃うことも必要ですね。
子どもが育っていくのも、ある意味で特権でしょうか。

◎mamireさん
眠りの森の美女は好きですよ（純粋に音楽的に）
でも、ピンクとブルーはちと苦手、、、
というか、あまり縁がありませんでした。
この木にピンクの花が咲いたらどうしよう、、、

◎masaさん
こちらこそ、どうも、です。
陶芸教室はこの近くですか、
ここは東京でも空が大きく開けた貴重なエリアですね。
季節を変えて、また描きたい場所でもあります。
六郷の火事は中学生のいたずらとか、
けが人が出なくて良かったとは思いますが、、、

◎HEIJIさん
空は、じつはちょっと描きすぎなんです。
でも、もっと薄いと富士山が浮かび上がらないので、、、
この木は、それだけにもっと焦点を当てて描いてみたい、
と思いますね。

◎アキラさん
風景を描くときは、季節感はやはり気を使います。
といいますか、その時をなんとか出したいな、と。
気をつけているのは日差しの強さ、角度ですが、
もっと的確に描きたいものです。

◎響さん
描き始めて思うのは、描くというのはじっくりと見ること、
ということですね。
じっくり見るための堪え性は、なんとなく出てきたかな？
と最近思いますよ。
釣りのほうは何でしょう？
多摩川も最近はいろんな魚が増えたそうですけど、、、

◎ちかさん
この時期を感じる景色に出会うと素朴に嬉しいですね。
もっとたくさん見つけたいですけど、
ま、ぼちぼちです。
masaさんとのご関係、最近なんとなく分かってきましたよ。

by e-g-g (2009-03-19 13:21)