日本の家、旧朝倉家住宅。 [水彩画とスケッチ]
代官山の猿楽町にある旧朝倉家住宅。大正8年(1919年)、東京がまだ「府」だったころに、東京府議会議長の朝倉虎治郎が建てた住宅である、と、もらったパンフレットにはある。が、あまりに昔のこと、それと横浜で育ったため、東京の歴史についてはなんとも疎くて、府議会議長のことは何も知らなかった。
ただ、しっかりとした日本の住宅建築がこの地にしっかりと立ち続けてきたことの幸運に感謝しよう。管理や手入れはもちろん大変とは思うけれど、街のまん中にあるだけでも貴重である。
このひと月のあいだに二度訪れているが、じつは住宅の中にはまだ入っていない。貴重な文化財は、またゆっくりと見るつもり。いまは家の周りをあちらこちらの角度から眺めている。
ここは南面に広がる庭が素晴らしい。広がると書くと広大な敷地のようだが、面積はさほど広くない。(といっても1600坪はあるそうだから、一般庶民の家と比べれば、それはそれは広大だけど。)
家自体もそうだが、この庭も良くぞ雰囲気を失わずに残ったもの、と感心する。斜面にそって植えられた木々の集まりには、ちょっとした森の雰囲気すらある。その回遊式庭園の通路を上がったり下がったりしながら眺める住宅の「見え方」の変化もおもしろい。踏み石をひとつ下がるだけで、縁側も応接間の大きな窓も陽射しを受けて光る屋根瓦の色合いも微妙に変わる。
スケッチをするには、欲を言えば敷地がもう少し広ければ、と思う。住宅としてはかなり大きい方だから、その特徴がつかめるポイントとなると、もうちょっと引きたい、そんなこともある。それに、敷石の無いところには、もちろん入れないから意外とスケッチポイントが限られる。
常緑樹が多いけれど、それでも冬枯れの今頃は、たぶん一年でもいちばん明るい時期ではないだろうか。新緑の頃、紅葉の季節、それとうだるような暑さの中の蝉時雨、いろいろ眺めたり耳を澄ませたりしたいものだ。
旧朝倉家住宅(渋谷)2009年1月17日
F4(33×24cm)ワトソン
四季それぞれの様子を見てみたいですね。
きっと季節によってかなり雰囲気が違うんでしょうねえ。
屋根の形ちょっと特徴ある感じがします。
by HEIJI (2009-01-24 22:05)
第二次世界大戦の戦火から免れたのでしょうか。貴重な建物ですね。
今年はまたチャリで都内を走ってみたいと思っています。
こういった古い家や庭園を回ってみたいです。
by barbie (2009-01-24 22:57)
甍の緑に日の当たった様子、良く描けています。瓦なんかも難しいですよね。さすが!
冬なのですが、日差しには少し春が感じられますよ。眩しいです。そしてちょっと花粉かな?と思うときも。
by anan (2009-01-26 21:04)
こんなとこにあったのですね。知りませんでした。
重厚な瓦がいいです
庭も見に行かないと!東京も見どころ満載ですね(^u^)
by masa (2009-01-27 00:38)
写真でもそうですが、もう少しヒキで撮りたいとかありますもんね。ましてや、入ったらいけないけど、きっとあの辺から書くと、庭の雰囲気も描け良いねんけどな・・・と言うジレンマが伺えますね。でも今回も素敵な絵になってますよ!
by 井上酒店 (2009-01-28 13:32)
◎HEIJIさん
この庭は樹木の種類も多そうですから、
きっと四季のいろんな表情が楽しめると思いますよ。
ひとくちに日本の住宅といっても、
時代、地域によって屋根の形もたぶん微妙に違うと思います。
少しづつですけど、そのへんのところも調べてみたいですね。
◎barbieさん
太平洋戦争だけでなく、そのずっと前の関東大震災もにも遭ってますね、
いまの鉄筋コンクリート造りよりも丈夫かもしれません。
東京も、ちょっと走っただけで街の表情がどんどん変わりますから、
自転車も楽しいと思いますよ。
◎ananさん
瓦、とくに鬼瓦、イヤですね〜
でも、これを避けては日本の家は描けぬ!
という次第で、目下修行中です。
花粉?もうすぐですね〜
ワタシも外で描けなくなりそうです。
◎masaさん
ここは去年の6月の開園ですから、
名所としては、まだ新入りです。
前も後も街、その真ん中なのに別世界です、ぜひどうぞ。
◎井上酒店さん
写真の場合は、いざとなれば望遠・広角が使えますけど、
肉眼は標準レンズ一本のみ、
ま、これはこれでけっこう優れものですけどね。
いろんな制約がありますけどね、
スケッチポイントを探すのも楽しいものです。
by e-g-g (2009-01-29 12:11)
◎xml_xslさん
◎takemoviesさん
◎takagakiさん
◎アサギいろさん
◎カフェオランジュさん
◎akiponさん
◎こぎんさん
◎はじ坊さん
◎こぼんさん
niceを、ありがとうございます。
by e-g-g (2009-01-29 12:12)
志賀直哉を思い出した。。
by クララ (2009-02-07 10:24)
◎クララさん
明治生まれの作家の印象と、たしかに合うかもしれません。
それにしても遠い、、、
by e-g-g (2009-02-08 18:04)
daland です。
代官山シリーズですね。
春になったらこういう場所で、ひながいちにち過ごしたいです。
入場料100円というのはいいですね。
中もじっくり回って見たい。
by daland (2009-02-12 13:17)
◎dalandさん
60歳以上はタダです。
そのせいかどうか、ご高齢の方が多いです。
私も、ぎりぎりセーフでそのうちの一人です~
by e-g-g (2009-02-15 14:42)