根津神社の手水舎。 [水彩画とスケッチ]
東京メトロ千代田線で大手町から三つ目なのに、根津まで来ると都心とはまるで違う風景になる。オフィスビルが少なくなり、商店と民家と町工場、それとマンション。ここが山手線の内側とは、とても思えない。
先週の土曜日、湯島、根津、千駄木のどこで降りようか迷った末に根津で下車、寒さをものともせず根津神社でスケッチ。
根津神社も谷中の商店街も「ツァー」の人影が絶えない。歩き回るのにちょうど良い広さ、下町の親しみやすさ、物価の安さイメージ(これは正確なところは分からない)、それと地下鉄に乗ればあっという間に着く立地、そんなこんなが、この界隈の人気を支えているのだろう。寒さなんて関係ないのだ。
が、描くとなるとそうも言ってられない。絵の具を溶く水が氷るまでは描く!という元気な絵描きさんもいるらしいけれど、ワタシにはとても無理な話。この先、修練を積んでもその域に達する自信も無い。だから、指先がちゃんと動かなくなったら、さっさと切り上げる。
神社にきたら、それも東京で最大の広さという根津神社に来たのだから、やはり本殿を描くべきか?と思っていたら、(上手い具合に)本殿は改修工事中でシートですっぽり覆われていた。ちょっと拍子抜けしたけれど、手前の手水舎を描く。本殿は描きたし、されど手間がかかって難しいだろうな、という不安とおののきを帳消しにしてくれた。
それでも、屋根の構造、瓦の様子、等々、やはり手を抜けない。今回は、大きな構造を線で現すのではなく、できるだけ克明に描き上げてみた。もちろん現地でここまでは描けないので、作業の大半は家に戻ってから。ほんとうは、しつこく現地に出かけて着彩の最後まで仕上げるべきだろう。これは、暖かくなってからの課題。
根津神社・東京・文京区 2009年1月24日
F6(41×31.8cm)コットマン・中目
屋根の細部の色がとても綺麗で見入ってしまいます。
by ミカチ (2009-01-29 21:52)
水が氷るまで。。すごいですね
末端冷え性の私は考えられないわぁ。。
瓦の硬さと樹と親子の柔らかさ。。
1枚の絵で表現するのは写真ではできない技ですね
by masa (2009-01-29 23:13)
根津神社って、そんなに大きいのですか?
知らなかったです。
あの辺の商店街、頑張っています。安いです。
瓦や木の質感もすごく表現できていて・・・
凄いです。
私も末端冷え性なので、ホッカイロは必需品です。
by こぎん (2009-01-30 09:18)
屋根の色が良いなー。瓦も木も、特に陰の部分の色が好きです。
線が強調されないと全く違う雰囲気になりますねー。
「絵の具を溶く水が氷るまでは描く」ような方は、お湯で暖めながらでも描くのではないかと・・・。自分は手がかじかんでカメラのシャッター切るのも億劫だったりします。
でも、もうちょっとの辛抱ですね。寒が明けるのも近いです。
by HEIJI (2009-01-30 13:42)
すばらしい絵ですね。みなさんのコメント通り、私も屋根の精巧さに見入りました。バックの木のぼかし方も気に入りました。
e-g-gさんの絵を見て勉強させてもらいます。よろしくお願いします。
by crest (2009-01-30 21:14)
◎ミカチさん
手水舎ですから、さほど大きくはありませんが、
四本の柱にどっしり乗った屋根は、存在感がありました。
ただ、見た目よりは複雑な色と形、ちょっと手こずりました。
◎masaさん
最近の暖かいウェアおかげで、なんとか凌げるんですけどね、
指先だけはどうしようもないですね。
私も「水が氷る」なんて、とても信じられません。
写真と絵では、やはり切り取るものが違いますね、
どちらも面白いです。
◎こぎんさん
帰りに根津駅近くの和菓子屋さんで大福を買いました。
たしかに安かったです。
水彩で質感を表す、難しいですけれど、やりがいもあります。
ハヤク ウマク ナリタイ、、、
◎HEIJIさん
線を消して面だけで描くのは、かなり根気がいりますね、
あげく、上手くいけば良いのですが、なかなか、、、
今のシーズン、風がなければ一時間半くらいはなんとか持ちます。
その先は、執念というか意地というか、、、
◎crestさん
コメント、ありがとうございます。
いまは、いろんな描き方を試しています。
ですから、タッチやトーンも毎回変わります。
いずれ自分なりのスタイルが生まれるのかどうか?
そんな感じの勉強真っただ中です。
by e-g-g (2009-02-01 07:43)
◎xml_xslさん
◎はじ坊さん
◎アサギ色さん
◎ぐっとれさん
◎カフェオランジュさん
◎cocoさん
◎leeさん
nice、ありがとうございます。
by e-g-g (2009-02-01 07:44)
柔らかい色彩でステキですね♪
温か味を感じます
by 信州のりんごほっぺ (2009-02-01 22:59)
丹念に描かれた絵ですね。写真よりも温もりのある絵をかけるのは
素晴らしいです。
by akipon (2009-02-02 01:18)
今までの絵に比べ描写の細かさを凄く感じていました。やはりその辺を意識されていたんですね。だから少し今回の絵は今までと違う作風に感じました。ちょっと写真を加工した感じに感じたんですが、それは描写が細かくとらえてるからですかね。素敵な絵です。
by 井上酒店 (2009-02-02 23:18)
ご無沙汰しております。
今までと違うタッチ、こちらもすてきですね。
さすがデザインのプロ、写真もそうでしたが、構図と全体のバランス、そして色に心地よさを感じます。
by mio (2009-02-03 22:20)
◎信州のりんごほっぺさん
コメント、ありがとうございます。
もう少し濃くしよう、いやバランスが崩れるかな?
と、色の乗せ具合はけっこう悩んでます。
◎akiponさん
写真には写真の、絵には絵の、
それぞれの良さがありますね。
時間をかけてじっくり見て描くのも
なかなか楽しいものです。
◎井上酒店さん
現場で感じるものを素直に描く、
それにはいろいろな方法がありますね。
今回は、丹念に描くことで何が見えてくるか?
そのあたりを意識しました。
◎mioさん
久しぶりですね~
全体のバランスは、けっこう難しいですよ。
この絵も、最初は手水舎を小さく描いてしまって、
鉛筆の下書きがほとんど終わってから、描き直しました。
自分の眼の曖昧さに愕然としましたよ。
by e-g-g (2009-02-04 11:11)
◎Krauseさん
◎swingboysさん
◎こぼんさん
お立ち寄り、ありがとうございます。
by e-g-g (2009-02-04 11:13)
しっとりとした空気になか
暖かさも感じる素敵な絵ですね。
赤がとても綺麗なアクセントになっていて
こんな絵を書けたらいいなーって思います。
by 響 (2009-02-04 12:13)
◎響さん
赤は「派手過ぎず地味すぎず」に気をつけました。
何色を混ぜて作ったか、もう覚えてませんけど。
ともかく、この絵はちょっと時間がかかりました。
より一層の修練、あるのみです。
by e-g-g (2009-02-05 17:54)
◎フェイリンさん
◎旅爺さん さん
nice、ありがとうございます。
by e-g-g (2009-02-05 18:02)
daland です。
おはようございます。
手水舎の屋根の重量感がよく出てます。
朱の色褪せた感じがいいです。
家に持ち帰ってから色を付けるのって難しいんでしょね。
by daland (2009-02-13 08:14)
◎dalandさん
現地の雰囲気は下書きをしているあいだに
しっかり見ておきます。(当然ですね)
色もその雰囲気の中で感じるポイントをつけて
あとは覚えておきます。
写真も撮って参考にしますが、人の目とカメラは違いますからね、
これはほんとうに参考程度です。
by e-g-g (2009-02-15 14:50)
先日根津を歩きながら、ここには行きませんでした。こんな絵を見ると残念に思います。
手水舎というのは私も目がいく場所です。それぞれに特徴があって魅力的です。
上野の神社は鳥が来て不衛生ということで、水が止められていました。
それでは神社じゃないですよね。
by 春分 (2009-02-20 19:47)
◎春分さん
私も根津はこの日がほぼ初めて、
ぶらぶらと歩いているうちに出会いました。
>鳥が来て不衛生、、、
世の中、潔癖症候群というか、
ともかく疑わしきはことごとく「安全」なほうへ、
情緒が消えていきますね。
by e-g-g (2009-02-26 13:24)