風景画を見る、塩沢宗馬風景画展。 [絵の周辺と展覧会]
25日の夕刻、学生時代の友人の個展に顔を出す。地下鉄外苑前駅からほど近いギャラリーは、とても雰囲気の良いスペースだった。
少しの寂しさと、抑えてもほんのり表れる水彩の明るさの対比が新鮮だった。
友人の絵は、懐かしくて優しい、そして確かに人の眼を感じる風景画だ。北海道、新潟、浅間山、鎌倉、横浜、それと東京。バラエティ豊かなそんな各地の風景を見ているうちに、この懐かしさと優しさは、いったいどこから来るのだろう?と思った。
■塩沢宗馬風景画展 ー水彩で描く日本の四季ー
たぶん最近、いやもっと前から、風景を切り取るときにカメラばかりに頼ってきたツケが、この歳になってまわってきた気がする。
シャッターを押した瞬間に“次は何?”と、新しい何かを求めてしまう習性。もちろん、写真でもひとつのシーンをじっくりと深く見ることのできる人はいる。しかし、ワタシの場合は、上に書いたようにどうも落ち着きがない。シャッターを押したことで、その場を掴んだような気になってしまう。(これは、写真の本質に関わる話だなぁ)
ズームレンズ全盛である。私のデジタル一眼レフも、ズームレンズキットを付けている。単焦点の広角レンズや、真っ当な標準レンズを買おうと思っているうちに、すでに一年以上も経ってしまった。安いからね、といってしまえばそれまでだけど、とにかくたいした性能のレンズではない。色合いも解像度も不満だらけだ。
それでも、便利さに負けてつい「ズーム」を使ってしまう。学生時代の“標準一本で何でも撮れ!遠すぎたら、一歩でも二歩でも対象に近づけ!”という教えは、どこに置いてきてしまったのか。(これも、写真の本質に関わる話だなぁ、たぶん)
友人の絵の素直なアングルと自然な画角は、人の眼の標準的な視線から生まれるものと思う。その「はったり」の無さが実に気持ちよく、見る者の目に余計な疲れを感じさせない。
そうだ!こんど、たとえば自転車で出かけるときは、カメラではなくスケッチブックを携えていこう!(このあたりがワタシの頭脳構造のいたってタンジュンなところなのだ)でも、ちゃんと書けなかったときのためにカメラも、、、きっと、、、
*
友人に会うのは実に38年振り。付き合った時間も、デザイン学校のほんの二年と短い。当時の学園紛争のあおりを受けて産学協同断固阻止!などといっぱしの体制批判とジャズとお酒に明け暮れ、渋谷の街をほっつき歩いたことだけは良く覚えている。一緒に習った(はずの)勉強の中身は、とんと忘れてしまったというのに。
38年間を一挙に縮めてしまう友人の声と、それに応える私の声。お互いが歩いてきた人生の襞のようなものの一部が、ふっと見えるような隠れてしまうような、不思議な一時間だった。
*それにしても載せた写真はブレが激しくひどいものだ。もう少し何とかならなかったものか。
ひと昔に心が通い合った友達とは、一瞬で時間が埋まりますね・・・
旧友ががんばっていると・・・刺激されますね!!
今年は、そんな友達を訪ねる年にしようと思っていたのですが・・・
もう4分の1が過ぎてしまうのですね。
by こぎん (2008-09-26 07:21)
気の合う友達との付き合いは、年月の長さだけでは計れませんね。
それも、社会情勢がめまぐるしく変わる激動の時代だったらなおさら。
年を重ねてさらに理解を深められ、影響を受けあうことができたら最高の友達です。
同窓会の幹事になっているのに、もう5年もぐぅたら何もせずにすごしてしまった。
そろそろ、重い腰を上げなくちゃと思いました。
by mamire (2008-09-26 16:33)
◎こぎんさん
ハイ、タンジュンなワタシはいたく刺激されました。
これからは水彩スケッチおじさんを目指します。
旧友に合うのは、なかなか実現しにくいものですね、
「旧友に合おうプログラム」を作りましょう。
◎mamireさん
友人と会って、学生運動真っ盛りのあの時代、
渋谷や新宿の騒然とした様子が思い出されました。
旧友はタイムマシンですね。
5年ぶりの同窓会、そろそろ頃合ではないでしょうか?
by e-g-g (2008-09-26 19:02)
◎xml_xslさん
◎カフェオランジュさん
◎一真さん
◎dalicoさん
ナイス、ありがとうございます。
by e-g-g (2008-09-26 19:05)
38年ぶり!
個展もすごいけど
38年ぶりに乾杯ですね^^
by ハイマン (2008-09-26 23:40)
スケッチブックは憧れです。
38年ぶりの再会ですか . . . 会えば時の長さなんて関係ない?
水彩画は優しいですね。
油絵と違って気負いなく見ていられます。私は、ですが。(笑)
by berry (2008-09-27 23:28)
◎ハイマンさん
38年経っても、友人の風貌は変わっていません。
いや、他の人から見れば十分に変わっているんでしょうけど、
このあたりが学生時代の友人の不思議なところですね。
◎berryさん
最期まで使い切らなかったスケッチブックが
たくさんあります。
描き始めるときは、さぁたくさん描いてやるぞ!
と思うんですけどね。
水彩画、またはじめようかと思ってます。
by e-g-g (2008-09-28 20:13)
◎デザイン屋さん
◎yamagatnさん
nice、ありがとうございます。
by e-g-g (2008-09-28 20:29)
「一歩でも対象に近づく」、参考にさせてもらいます。
楽しているといい写真は撮れないということですね。
昔の友人との縁が続いているのが羨ましいです。
by akipon (2008-09-28 20:46)
学生時代の友人は、例外もあるけれど、たいていは昔のままですね。
古い友人は時間の流れが違うというか、
何年経って会っても「久し振り」って感覚があまりないです。
仕事で来月いっぱい通う場所、途中に新しい画材屋ができたんですよ。
今度のぞいてみようかと思ってます。
by HEIJI (2008-09-29 01:28)
◎akiponさん
私の学生時代にも、ズームレンズはもちろんあったんですけどね、
学生の分際には高くて高くて。
で、標準レンズ一本でなんでも撮る、とこういうことです。
でも、たしかにトレーニングにはなった!かな?
◎HEIJIさん
学生時代の友人というのは、
いろんな人間関係の中でも実に特異なものですね。
新しい画材屋さんですか、いろいろ楽しみですね。
by e-g-g (2008-09-30 18:39)
私も30年以上あっていない友人がいます。
当時は毎日のように遊んでいたのですが、今会って年月の溝を埋められるか不安で躊躇しています。でも会いたいなぁ。
by daland (2008-10-01 13:11)
まぁ、写真は写真の良さが有り、絵には絵の良さがありますからね。確かに写真、特にデジカメになってから、写真が簡単に撮り直せて、見直せるので、重みがない気はしますね。その点フィルムや絵は、その一瞬を勝負する感じはありますよね。でも38年の付き合いって良い響きですね。僕は38年の付き合いが出来る友が居るのでしょうかね?その言う友が居る事を夢見て・・・
by 井上酒店 (2008-10-01 23:12)
◎dalandさん
30年の空白なんて、会えば一瞬で消えますよ。
まぁ、それでもその時間の重みはそれなりに
ありますからね、、、
いろんな感情が湧き上がりますね。
◎井上酒店さん
ときどき意外な発見があるデジカメも、楽しいですね。
つまるところ写真も絵も、何を見ているのか?ですから、
できるだけキチンと見る癖をつけたいものです。
38年も、過ぎてみればあっという間、
友人は大切にしたいものです。
by e-g-g (2008-10-08 12:39)
◎旅爺さんさん
◎Krauseさん
◎sanjinsaiさん
◎harryさん
◎スカピオサさん
◎奥津軽さん
◎cheeさん
nice、ありがとうございます。
by e-g-g (2008-10-08 12:42)
写真で風景を切り取る^^
確かに絵を描くようにじっくりと風景を見てませんね・・・
by murasawa (2008-11-16 13:21)
◎murasawaさん
写真には写真の、絵には絵の、
それぞれの良さがありますね。
そして同時に危うさも、、、
いずれにしても最後は自分の目ですね。。。
by e-g-g (2008-11-17 22:40)