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梅雨明け、多摩川サイクリングロードの100キロ。やや無謀 [自転車]

20080719_tamagawa_50km.jpg

7月19日(土)15時・気温34.7度(東京・府中)、
気象庁のホームページで調べるとこんな数字がでてきた。
あぁ、知らない方が良かった。

* 写真は多摩川の河口から50km地点。奥に見えるのはJR五日市線の鉄橋。

  最近は、というよりもう十年近く、自転車に乗っても一日にせいぜい40キロほどしか走っていなかった。タイヤはスリックに替えて、フロントの外側も50丁にしてあるとはいうものの、やはりもう20年近くも昔のMTBである。重い重い(といっても重量は11.8キロ、アルミでもカーボンでもなくこの重さだったら、まぁ良しなのだが)、それとやはり基本設計が違う(と思いこむ)。26インチというタイヤサイズも致命的である。しかも抵抗の大きい太いタイヤでもあるし。

 このMTBに乗りはじめた頃は、一日に軽く120キロくらいは走ったものだけど、それはいわゆるコワイもの知らずというもの。分別のある大人はそんな無茶はしない。(さっさとロードに乗り換える)
 なのに、この日はその自転車で久しぶりに40キロ以上を走りたくなった。hiroさんのブログ*を見たのも、きっかけのひとつ。ともかく、目指すは多摩川サイクリングロード。まずは国道246号線を二子玉川へ、そこから一路多摩川左岸を上流へ。

 多摩水道橋、京王線、稲城大橋あたりまではなんということもない。じきに是政橋、家を出てから24.6km、ここまでは以前にも来たことがある。ジリジリと暑い、今日はこのあたりで帰るのが常識というもの。が、なんだか脚も軽い。水をガブガブ飲みながら、もう少し走ってみよう。
 あれは関戸橋あたりからだろうか?川幅もだんだんと狭まり、岸辺のみどりも濃密になってくる。そして夏の陽差しの向こうに奥多摩の山々も見えてくる。この山の眺めに弱いのだ、1000メートル級だろうと3000メートル級だろうと、山の遠望が見えると、心のチャンネルが変わってしまうのだ。私は、この光景を見たいがために、どこかへ出かけるのかもしれない。

 30キロ地点が、ちょうど中央道の下。高速道路の高架下など情緒もないけれど、貴重な日陰である。一息ついて直ぐに立川公園から日野橋。
 まぁ、あまりグダグダ書いてもキリがないけれど、たぶんこのあたりで「ひょっとして50キロまでいってみるか」の心境になってきた。真っ赤なアーチ型の多摩大橋を過ぎる頃からは、意地でも走ってやるぞ!

 この多摩大橋付近の古岩はやはり見応えがある。1200万年前に海底に堆積した砂や泥がその組成という。こんな暑い日にペダルを踏みながらでは、1200万年という数字は、ただ目眩を覚えるだけのものだけど。次回、涼しくなったらこの古代の岩と周囲の植物を眺めに来よう。

20080719_cycle_meter.jpg

 途中、昼食をとるために奥多摩街道に出たけれど、これが食べどころが見つからない!マックでもなんでも良いから、とにかく食べ物を〜!もう極限のハンガーノック状態。もう少し事前調査をしておくべきだった。でも、いつも行き当たりばったりが多いから、こういうことになるのだ。
 そんな「予定外」もあったけれど、走りのほうはまあまあ快調に福生を過ぎて、結局着いたのは羽村の堰下橋。ここまで52キロ、途中の食事に手間取ったのと少し長い休憩もしたせいで、このときすでに14時30分。
 川では中学生、高校生が泳いでいる。その涼しそうな光景を眺めながら右岸に渡る。暑い

 ところで福生あたりと、この羽村付近までは自転車で走るには、とても良い環境である。緑が多く気持ちがよい。他の季節だったら?と想像しながら走るのも楽しい。いつも、クルマを気にしながら走る都心部とは大違いである。住むところを間違えたかな。

 帰りは、緩いとはいえ一応は下りである、風さえなければ、それなりに、と考えたのが甘かった。
 久しぶりのロングランと気の遠くなるような陽差しで、バテないわけがない。そのうえ、二子玉川までのほぼ40キロ、ずっと向かい風だった。漕げども漕げども進まない。いや、進んではいるのだけれど、スピードが出ない。フロントのアウターを一段落とす。こんなこと、これまでに経験がない。
 要するに向かい風というのは、ある程度の登り坂を漕ぐのと変わりがないのだ。気象庁のサイトで調べたら、この日のこの時刻は府中あたりで、南東の風で最大4.4メートル。これが正面から向かってくれば、これはもう立派な登坂路である。
 そんな向かい風のなかを、もう、こんな重い自転車では二度と来ないぞ!と呪いながら、漕いだ漕いだ。
 往路の2時間40分(休みと食事を含まない走行時間)に対して、復路は3時間半を越えてしまった。平均時速は、、、計算したくない。

 家人には呆れられ、もちろん本人もなんというか、まぁこの無謀を少しは反省するわけだけれど、でも、やっぱり気持ちの良いことに変わりはないわけである。
 それでも、次はやっぱり涼しくなってからにしよう。それと、自転車もツーリング用の何か手頃なものを見つけたい、とはじめて本気で思った。

 有り難きは、やはり水である。3リットルくらいまでは覚えていたけれど、たぶんその倍の6リットルくらいは飲んだと思う。途中、スポーツドリンクも少し飲んだが、やはり水が良い。火照った腕や脚にもかけられるし。ともかく、これが無かったら 生キテ ハ イケナイ。

 強い陽差しで日焼けも半端ではない。短パンから露出した膝頭、それとポロシャツの袖とグローブの間の腕、もう一箇所、足の裏側のアキレス腱の上、そんなところが見事に焼けた。首筋は、前回の日焼けに懲りてポロシャツの襟を立てていたので、こちらは大丈夫。
 あとは被らないとイケナイとずっと考えているにもかかわらず、まだ未装のヘルメット。これは、いろんな意味で必須である。(早速、翌日に上野の自転車店まで探しにいったが、もうひとつ自分の頭にぴったりとフィットするものが見つからない。あと一息)

 夏のジリジリ照りつける陽差しに刺されながら、走りたくなる、この自虐的な快楽は、いったいなんなのか?
 家に着いてからのシャワーとビールの愉悦だけでは、その説明もつかない。これは、もう業か。梅雨明け直後のあの陽差しを受けながらバカみたいに走っていると、熱中症になるのも必至と思う。いくら水分補給に注意しても、それはきっと襲ってくるのだろう、とつくづく思う一日だった。この夏は、少し自重しよう、もう若くはないのだから。

 雑感:それにしても多摩川に架かる橋は風情のない名前ばかり。多摩水道橋、多摩川原橋、多摩大橋、、、たとえば隅田川の駒形橋、言問橋、白髭橋のような情緒のある名前が羨ましい。

 教訓:まさか一日サイクリングになるとは思っていなかったので、ライトを付けずに出かけてしまった。結局最後は無灯火運転になるわけで、これはイケナイ。道交法違反だし、なによりも危険すぎる。反省

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カズ−

達成感や辺りの景色がそうさせるんでしょうか。
私だったら年齢より若い事を自覚したいなんていう
のも無理する理由になりそうです。
しかし、現実はカバーのかかったママチャリを眺め
たまには走らねばなんて思うまでがせいぜいで、
その先に足が進みません。

by カズ− (2008-07-22 12:31) 

akipon

暑い中の長距離、健脚ですね。僕も距離を走るのは嫌いでは
ないのですが、この暑さの中で自転車やオートバイに乗るのはちょっと
ためらうことが多いです。
でも奥多摩の山まで見えるんですね。その景色をみたら距離を
伸ばしたくなる気持ち、良く分かります。おつかれ様でした。
by akipon (2008-07-23 00:44) 

meguropolitan

暑中お見舞い申し上げます!
業かも、、、笑えました。
この時期、空気で肺が熱いんですよね。
ジリジリと肌が焼ける実感があったり、
かく汗が乾いたりする様が、
ハイになっちゃうんですよ。
気持ちはわかりますが、
ご自愛ください。
明日はL'Alpe-d'Huezです。
by meguropolitan (2008-07-23 00:46) 

こぎん

凄いですね~!
自転車って・・・自力で行けるとこがいいですね。
私も小学生の頃、荻窪から経堂のおばの家までこいだことを思い出しました・・・
行きはいいけど・・・帰りが、重かったな~。

息子は高校のとき・・・九十九里までおばか仲間と行くって出ていったけれど、
(普通のおんぼろ自転車)思ったより、時間がかかって、野宿したようです。
それもいい経験・・・
夏は、熱中症怖いです。歩いていてもふら~と目まいが・・・
倒れないようにお願いしますね~!!

by こぎん (2008-07-23 08:25) 

e-g-g

◎カズーさん
やはり風景の変化は大きなファクターですよね。
漕ぎ疲れてふと遠くを見ると
知らぬうちに奥多摩の山が近づいてきたり、
クルマ、バイクとは、また一味違う感慨があります。

若いころは、達成感のみで走っていたような感じですね。
いまももちろんありますけれど、まぁ、ほどほどに、です。
体力のモンダイもありますし、、、

さぁ、その先に足を進めましょう

by e-g-g (2008-07-23 08:30) 

e-g-g

◎akiponさん
久しぶりの遠出でしたが、思ったよりも堪えませんでした。
もちろん、あの暑さですから消耗はしましたが、
一晩ぐっすり眠って、翌朝はすっかり快復です。

多摩川は、一部に未舗装路もありますが、
自転車にとっては、やっぱり天国でしょう。
いかがですか?この秋あたり。
by e-g-g (2008-07-23 08:31) 

e-g-g

◎meguropolitanさん
そう、あのリッチー(懐かしいでしょ)にずっと乗っているのも、業。
さすがに最近になって、少し新しいのを探し始めたら、
Lemondのモデルに遭遇しましたよ。
まぁ、何か手ごろなのを、という線を越えて、
これ、よさそう!という一台を久しぶりに見つけた感じ。
時、まさにL'Alpe-d'Huez、これもなにかの巡り合わせ?

J-sportの有料チャンネルは入っていないので、
ツールの生は見られず。
大昔の、NHK BSのロングラン中継が懐かしい。

ところで、ブログのほうも始めたようですね。
ブックマークしておきます。

by e-g-g (2008-07-23 08:45) 

e-g-g

◎こぎんさん
帰り道は泣きたくなりましたけどね、
とにかく「自力」は魅力です。
疲れたら分解して輪行袋に入れて、電車で、、、
という手を本気で考えようか、と思ってます。
でも、汗だく自転車おじさんが乗り込んできたら
電車の乗客も迷惑でしょうね~
やっぱり、最後まで自力?

ご子息の九十九里もよくわかりますよ。
自転車って、もっともっと先へ行きたくなる魔力があるんですよね。
帰りの苦難も省みず。

by e-g-g (2008-07-23 08:52) 

e-g-g

◎一真さん

◎カフェオランジュさん

nice、ありがとうございます。

by e-g-g (2008-07-23 09:00) 

sanjinsai

私の家は多摩川の河口に近いんですが、最寄の橋(多摩川大橋)~羽村を往復して100キロです。帰りが辛いんですよね^^;最近は府中四谷のセブンイレブンで折り返しちゃいます^^
by sanjinsai (2008-07-23 14:34) 

hiro

お疲れ様でした.

なぜか多摩川サイクリングロードの帰りはいつも向かい風のような気がします.
この時期、羽村まで走った後の帰りはつらいですね.

達成感後の昂揚と勢いで数キロ、あとは理屈なくただ足を動かすのみ..
まあ、これがまたよかったりするのですが.

涼しくなったら私もまたトライする予定です.
by hiro (2008-07-23 18:02) 

masa

皆さんすごいんですね〜(@@)
masaは半分でギブでしょう
チャリラーと名乗れません(^^;
ああ情けない。。もっと鍛えよう〜っと!
でも。。ビールの旨さは知っております(笑)
山の遠望が見えるとスイッチが入るのも同じです〜♪
なぜでしょうね!嬉しくなるのは
多摩川、六郷橋からボケーっと富士山見るのが大好きです
by masa (2008-07-23 22:27) 

haru

最近”エコ通勤”?とかで朝から道路を飛ばして走っている
自転車をベランダからよく見かけますっ^^
おはるは何度かトライしたのですが自転車まっすぐ漕げず・・・
スイスイ~ッと軽やかに走っているヒトを見るとうらやましいデス
でも今年は異常に暑い感じなので、熱中症には気をつけてくださいねっ
by haru (2008-07-24 00:18) 

e-g-g

◎sanjinsaiさん
大きな川の近くは、その気になるとすぐに走れて良いですね。
多摩川も、すべてが舗装されてストレスなく走れると
もっと快適なのでしょうが、
ともかく、100キロは結構な距離ですよね。

府中四谷のセブンイレブンは名所らしいですね。
私は気がつきましたが素通りしてしまいました。
店も自販機も少ない土手沿いでは貴重なんでしょうね~

◎hiroさん
勝手にリンクしてしまいました。
事後承諾のほど、よろしくお願いいたします。

いまの季節の向かい風ですけど、
午後になると海から吹いてくるのでしょうね、きっと。
以前に、町田~江ノ島間を何度か走ったときも、
相模湾からの風の影響を感じました。
ちょっと調べたいですね。

最悪に近い気象条件下での今回の100キロは、
これから先の自信に、少しはなりそうです。
まぁ、この夏のあいだはおとなしくしようと思ってますけれど。

◎masaさん
気持ちもカラダもノラナイときは20キロでもしんどいです。
なんで俺はこんなことに力を費やしているんだろう?
なんて感じると、もうだめですね
自転車と、徒歩はその点がすごく正直ですね。

山の遠望は、ほんとに良いもの、
ワタシもボケー派です。
視線をモニターから窓に移すと、
遠くに八ヶ岳、最低限でも丹沢山塊。が見える!
これが理想なんですけどね、、、

◎haruさん
お気遣いありがとうございます。
でも、走っている最中に、ちょっと頭痛の気配を感じた時は、
かなりヤバイかな、と思いました。
この先の夏は、少し自重するつもりです。

まっすぐ進まないのは、乗り手のモンダイではなく
自転車にモンダイがある!ということもあります。
まっすぐに進む自転車は、ほんとに素直に進みますよ。

by e-g-g (2008-07-24 14:35) 

井上酒店

実は最近チャリンコ通勤を始め、自転車にはまりつつあります。とは言っても通勤用ですが・・・。でもどうせならMTBを買おうか?ロードを買おうか?と思案しています。でも通勤なんで、Yシャツ着て、ネクタイしてロードもなんなので、MTBの方が気軽で良いかな?と・・・。しかし100kmは凄いですね。昔友達と京都大阪を自転車で旅しましたが、それで100kmぐらいじゃないでしょうか?そんなにも無いかな?いや〜ぁ、お疲れ様でした。
by 井上酒店 (2008-07-24 23:48) 

micyu

暑い中、お疲れでした。
行きと帰り、風の向き、太陽の日差しの変化、疲労の深さなど五感で探りながら走りますが、熱中症の気配はいつも後で気がつきます。怖いです。
by micyu (2008-07-25 10:08) 

e-g-g

◎井上酒店さん
最近はネクタイ姿でロード、このスタイルをよく見かけますよ。
それと、一見ロードに見えますが、
より乗りやすいコンフォート・ロードとか、
クロスバイクというモデルも増えていますね。

100キロという数字そのものは、さほどでもありません。
まず10キロ、次は30キロ、とだんだんと延ばしていくと、
あっ、こんなものか、という距離です。
ただし、私が走ったこの日のような灼熱炎天下とか、
それと交通状況、路面状態によっても
ずいぶんと影響を受けることは確かですね。

◎micyuさん
おニューのDAHONで「びわいち」、お疲れさまです。

風も太陽も、なにしろダイレクトに影響を受けるのが
自転車ですね、そこが面白いところでもあるのですけどね。
とにかく、夏場は注意しましょう。
“自転車オジサン、熱中症で倒れる!”って、
あまり格好良くないですからね。

by e-g-g (2008-07-26 16:05) 

e-g-g

◎xml_xslさん

◎HEIJIさん

◎甘党大王さん

◎masugiさん

nice、ありがとうございます。

by e-g-g (2008-07-26 16:07) 

mamire

こんばんは。
ご無沙汰しておりました。
ふ、府中?
そうそう、この日は日本全国で10番目に暑い一日だったそうですよ。
恐るべし e-g-g さま、
炎天下の中120キロも走るだなんて!
熱中症にやられなくて本当によかった。
by mamire (2008-08-14 22:55) 

e-g-g

◎mamireさん
やっぱり暑い一日だったのですね~
想像を超えた疲労は、自分の体力の衰えだけではないのだ!
と思い込むことにします。

8月に入って引いた風邪がいまだに抜けず、
こちらのそんな都合にはお構い無しに飛び込んでくる仕事、、、
そんなこんなで自分のブログを見るのも久しぶりでした。
と、遅くなった返信の言い訳です。。。
by e-g-g (2008-08-21 15:08) 

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