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飽きずに、まだ桜と音楽。 [聴く・クラシック音楽]

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 4月バカというのに、もうひとつ暖かくならない昨日、サクラに似合う音楽は?と、飽きずにあれこれ思い浮かべながら、仕事の用事ついでにちょっと渋谷のタワーレコードへ。

 歩きながら浮かんできたのは、アルボ・ペルトの『アリーナ』。シンプルでポツンポツンと数の少ないピアノの音に、けっして綺麗ではないけれど、妙に郷愁を誘うヴァイオリンが前へでたり後ろへ引っ込んだり。サクラの静けさにはぴったりだなぁ、しかし、この静謐な音楽をじっくり聞く時間は、どうつくればよいのだろう。それに、この音楽では、静かに咲く桜に合いすぎるではないか。
 
  頭の中のペルトを反芻しながら、突然、これとは正反対の正調クラシック節を聴きたくなった。で、ロジェストヴェンスキーのチャイコフスキー後期交響曲集を買う。
 チャイコフスキーがサクラに似合うなんていう思いはまったくないけれど、でもその連想の果てに浮かんだわけだから、これは超個人的なレベルでサクラ繋がり。
 さて、チャイコフスキーを買うのは何年ぶりのことだろう。世評はどうか知らないが、精緻さとエネルギーの高まりが見事にバランスしたセルの五番があれば、あとは要らない、とまでは言わないまでも、あまり関心領域には入っていなかった。
 それに、そもそもはサクラだ、チャイコフスキーだというよりも、ノリントンのエルガーでもあったら買おうと思って向かったタワーレコード、だったはず。

 でも、まぁこういう衝動買いもときにはある。いや、いつもそうか、、、ともかく、こういった買い方は、やっぱりネットでポチっと!では起きにくい。
 少し購入の理由付けをすると、ロジェストヴェンスキーは、かつて『くるみ割り人形』の全曲をLPで聴いたさいに、いたく感心した指揮者である。そんなことも少しは背中を押すことになる。と、ここまで書いてふと思い出したけれど、ついこの間、このロジェストヴェンスキーの振ったシベリウスの交響曲全集を買ったばかりなのだ、こちらもまだ全部を聴いていない、、、

 そしてチャイコフスキー。早いところきちんと聴きたいが、まずは仕事をしながらパソコンで聴いてみる。久しぶりのチャイコフスキーは、この日の“オオトロ・クラシックを聴きたい症候群”にはぴったり。なんだか妙に元気が出てくる。
 ま、この四番、五番、六番がサクラに似合うかどうかなんて、そんなことは実はどうでも良いのだ。ほんとのところ、決して似合うとは思えない。強いて言えば、昨日のように強い風に散る花びらがミニ竜巻となって巻き上げられる光景、そんなシーンには合うかもしれない。
 でも、メランコリーと狂気を優雅さでラッピングしたチャイコフスキーのシンフォニー、これは、咲き誇って一斉に散りはじめるサクラに、どこか近しいイメージを覚えたりもする。(まだ、しつこく こじつける)

20080401_tchaikovsky.jpg

●チャイコフスキー後期交響曲集
ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団
レーベルは「ヴェネツィア」、音源はソ連時代のメロディア
1970年と1972年の録音
二枚組で1390円の、常識的?な廉価盤


 この二枚組のCD、五番のシンフォニーの第一、第二楽章がCD1、そして後半がCD2に入っている。だから第二楽章が終わるとCDを入れ替える。かつてのLPでは、こんなことごく普通だったけれど、CD時代では、ちょっと珍しい。
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コメント 14

のすけの母

結論が出ました。
モーツァルトの「クラリネット協奏曲」が桜に合うんじゃないか、と。
思いつきですが……。
by のすけの母 (2008-04-03 22:49) 

anan

e-g-gさん、こんにちわ。
のすけの母さんと近いのですが、「クラリネット5重奏」の方がより合うような気がします。

一般的にモーツアルトは儚くて、桜と合うと思います。
by anan (2008-04-04 13:16) 

e-g-g

◎のすけの母さん
モーツァルトのクラリネット協奏曲、いいですね。
静けさも華やかさも、ちょっと寂しげな感じも
ぴったりと思いますよ。
この曲、私は日曜日の朝によく聴きます。
あまり深い理由はありませんけれど。

◎ananさん
そのときの気分によっては、
五重奏曲もなかなかですね。
協奏曲と五重奏曲のどちらを聴きたくなるか、
気持ちの色合いが微妙に違ってくるのでしょう

ところで、サクラに似合う音楽
お二方の投票により、
モーツァルトに落ち着きましたね。
私も、異論はありません。
チャイコフスキーでサクラではちと疲れますしね。

同じサクラでも、見る人の、あるいは見るときの
気分や環境によって感じるものが、少しずつ違う。
サクラというのは、
そういった諸々を反映しやすい花なのでしょう。

by e-g-g (2008-04-05 16:09) 

e-g-g

◎カフェオランジュさん
◎xml_xslさん
◎HEIJI☆さん
◎デザイン屋さん
◎Nicoli♪さん

nice、ありがとうございます。

by e-g-g (2008-04-05 16:10) 

e-g-g

◎響さん
nice、ありがとうです。
by e-g-g (2008-04-06 15:38) 

daland

こんにちは。
桜の音楽「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲いかがでしょう。
桜の花吹雪の夜、むせ返るような春の匂い。
濃厚なこの曲はいかがでしょう。
ロジェストヴェンスキーのチャイコフスキーとっても面白そうです。



by daland (2008-04-06 17:42) 

e-g-g

◎いろはさん
いつも、ありがとうございます。
by e-g-g (2008-04-06 18:09) 

e-g-g

◎dalandさん
来た来た、来ましたね~
じつはワタシも「トリスタン・・・」、きっと合うぞ!
と、古~いLPを引っ張り出して、聴いたりしていたのですよ。
ペルトと気まぐれチャイコフスキーの後ですけどね

演奏は誰が良いでしょうね?
レガート!レガート!レガート!のカラヤン?
ともかく、かなり極め付けに近いサクラオンガクと思いますよ、
清き一票をありがとうございました。

ロジェストヴェンスキーのチャイコフスキーは、
諸般の事情により、ちゃんとしたオーディオでは
まだ四番の第一楽章しか聴いてません。
それでも、なにはともあれ、金管が凄い迫力です。
はやいとこ周りの迷惑省みず、大音量で聴きたいものです。
by e-g-g (2008-04-06 18:27) 

e-g-g

◎三浦半島の住人さん
いつも、ありがとうございます。
by e-g-g (2008-04-08 16:34) 

e-g-g

◎watamiさん

◎納豆(710)な奇人さん

◎奥津軽さん

◎一真さん

nice、ありがとうございます。


by e-g-g (2008-04-09 19:36) 

e-g-g

◎masugiさん

◎takemovieさん

nice、ありがとうございます。
by e-g-g (2008-04-15 19:01) 

tak

サクラに似合う音楽。
やっぱ、ヴィバルディの春でしょう!
イ・ムジチの演奏で...。

ヴァイオリンのソロのところは、
ソメイヨシノの豪華なイメージにぴったり。
渋いエドヒガンとかシダレサクラだと
違うかもしれませんけど。

...当たり前すぎます?
(^^;


by tak (2008-05-08 00:33) 

e-g-g

◎murasawaさん
nice、ありがとうございます。
by e-g-g (2008-05-08 14:34) 

e-g-g

◎takさん
でましたね〜 四季。
あの「春」の浮き浮きした旋律から受ける印象は
古今東西あまり変わらないのでしょうね〜
話は変わりますが、インターネットラジオで
世界のあちらこちらの音楽番組を聴いていると、
ヴィバルディの四季、この季節はさすがにたくさん流れてますね。
桜があろうがなろうが、春はやはりこの曲?
by e-g-g (2008-05-08 14:35) 

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