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本を買う土曜日。 [日々の記録]

“この商品を買った人はこんな商品も買っています”
いや、ワタシはワタシの選んだものを買います!とつぶやき
ながら、ときおりフムフムと眺めたり。でも、しかし、まこ
とにお節介なことである。

 朝刊の書籍広告でちょっと目に留まる一冊があった。著者
は知らないが、タイトル、出版社から面白そうという勘がは
たらく。ネットでポチッとすれば明日には届くだろう。しか
し、

 のすけの母さんのブログでも、名古屋の大型書店の現状が
書かれていた。私も東京渋谷の書店状況をコメントした。そ
のなかで大型書店としては、渋谷に唯一残っている紀伊國屋
書店にも触れた。ちょうど良い機会だ。しばらく行っていな
いことだし、現物も見たい、と出かけた。

のすけの母さんのブログ記事は ↓
http://blog.so-net.ne.jp/shachinoie/2007-11-22

 かつて渋谷には駅を中心に三省堂、大盛堂、旭屋、それと
紀伊國屋と大型書店がけっこうあった。なかでも大盛堂の品
揃えはなかなか個性的で面白く、また旭屋書店は狭かったけ
れど「欠かせない本」は置いてあった。三省堂はとっくの昔
に消え、大盛堂も旭屋書店も次々に消えた。大盛堂は今もハ
チ公の向かい側にあるが、これは雑誌と文庫が中心。あれは
書店とはいわない。
 あと、新顔としてはブックファーストがあるが、この十月
に旧旭屋書店のあとに入ったとたんに、パワーが無くなった。
前の店舗は、面識の広さで勝負していたのである。狭くなっ
ては、独自の品揃えなど出しようがない。

 そんなこんなで渋谷の大型書店は紀伊國屋書店のみとなっ
てしまった。* さほど広くはないが『山下書店 渋谷南口店』
も頑張っている。

 目指す本は、ジャンルの曖昧なものである。日本文学?い
や国語?それとも、、、とにかく、匂いのしそうな棚を順に
見る。日本文学の端っこに、それらしきゾーンはあるものの
見つからない。国語?それはちょっと違うだろう、と思いな
がら探すが、やはり無い。文庫でもないし、選書の類でもな
い(と思う)。

 いろいろと探したけれど、目当ての本は無い。だんだん意
地になってくるが、所詮少部数の本(と思う)、はなから置
いてないかもしれない。
 仕方なくギブアップして、店員に訊ねると、コンピュータ
の端末をチャチャッと操作して、
“しばらくお待ちください”と店の奥へ消えた。
そして一分もしないうちに「その一冊」を手に戻ってきた。

“えっ?あるんですね、どの棚にあったんですか?”
“いえ入ったばかりで、まだ棚には並べていなかったんです。
 どの棚にするか、ちょっと難しいもので”

 定価 1500円の本を求めるのに、まぁ、ちょっとしたエネ
ルギーだけど、これはこれで楽しい。国語の棚では辞書の間
に白川静の『常用字解』、これもいずれ買わねば。となりの
学参の棚では、真面目そうな高校生がなにやら懸命に探して
いる。こういう書店でもDVDのコーナーが増えているなぁ。
子供向けのゾーンにはクリスマス向けの絵本が並んで、そこ
だけ明るく賑やかだ。そういえば孫へのプレゼント用に、な
にか探さないと、、、と、脳味噌がほんの少し活性化される
のだから、それはやはり楽しい時間なのだ。

珍しく万歩計を付けて歩いてみた。
たんなる数字の並びだけど、これもまた楽しい。単純、、、
 


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のすけの母

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」って、私もお節介と思っていました、当初は。
ただ、最近結構気になって(だからといって、即飛びつくわけではありませんが)、興味津々に眺めることもあります。
こういうフレーズに弱い人もいるんでしょうね。
ま、そういうきっかけでいい本に巡り会えることもあるでしょうけれど、やはり自分の意志で本を選ぶべきでしょう。

本のジャンル分けも結構難しいですね。
お目当ての本が、当然あるだろうという棚になく、違う棚にあったということも多々あります。
ま、そういうことで、新たな本を発見できたりするのも楽しみでもあります。
そう考えると、やはり本屋へ足を運ばないと、ということですね。
amazonに頼っていたら、そういう発見はないですから。

白川静の『常用字解』は、私持っています(単なる報告です!)。
by のすけの母 (2007-11-24 22:40) 

e-g-g

◎のすけの母さん
今のところあまりにも分かりやすいお節介ですから、
微笑ましいな、とも思います。
でも、あんなものでも売れ行きの幾ばくかには
寄与しているのでしょうね。
そう考えると、やはりちょっと気持ち悪い。

>新たな本を発見できたりするのも楽しみ
書店に足を運ぶ醍醐味ですよ。
これが失せたら、書店の価値はないですね。
逆にいえば、人の感性を揺さぶるような品揃えができれば、
これは書店冥利に尽きる、ということでしょうね。
そこのところを商売にできれば理想でしょう。

『常用字解』、お持ちですか。
とにかく面白いですよね。
あの中にはデザインのエッセンスもたんと入っています。
 
by e-g-g (2007-11-24 23:56) 

大盛堂に先輩がおります・・・。
コミック・雑誌をお買い求めの時は、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
かといって・・・安くはなりませんが・・・
重ね重ねm(_ _)m
by (2007-11-25 09:23) 

JF

おはようございます。  すみません、↓長いです。

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
これは香川元太郎さん著「進化の迷路」が欲しいと思った時に
他の迷路シリーズがわかって便利でした。

私amazonで買ったことがないんです(時代遅れな私)。
よほどのことが無い限り、調べて 本屋さんに取り寄せてもらうんです。
自分では本屋さんを教育しているつもり(笑)良い人材が揃っているのなら、
育つのではないか、と。
と言っても、私は特別インテリではないので、「こだわる人」も来るんですよ!
くらいしか伝えられませんが(^_^;)

ほぼ日の「谷川俊太郎質問箱」が出た時は、わざわざ初日に買いたくて
本屋さんに行きました。なかなか見つからなくて、PCで探してもらいました。
隣りに谷川さんの昔の詩集があって、読んだのですが、もったいなくて 
その日は「質問箱」だけ買いました。

もったいないというのは・・・
詩集のようなものを買う時は、その本の雰囲気に浸っていたいんですよね。
詩集の主人公の気持ちが私の中に広がってしまって、あれもこれも買うのは
彼(主人公)の気持ちをないがしろにしそうで・・・
かなりセンチメンタルに本屋さんを利用しております(笑)
by JF (2007-11-25 09:35) 

HEIJI

ネットで買うのは、買うと決めてるものですね。
書店やCDショップでは思わぬ出会いがあったりします。
本の帯や、「只今演奏中」に弱いんです。けっこう当りもありますし・・・。
by HEIJI (2007-11-25 22:19) 

tak

多摩地区では、わりと大型の書店が増えています。
昨年できた郊外型のショッピングセンターには、
売り場面積1600平米という書店が入ってます。
本という商品が、市街地、オフィス街において
売れる商品ではなくなってきた、と分析した方が
当たっているのではないか、と思われます。

ただ、私自身のことを思い返すと、辞書、事典
といった、いわゆる参考図書は買わなくなりました。
ネットの影響なのでしょうね。
書籍、雑誌の消費は、あまり減っていませんが。
by tak (2007-11-25 23:31) 

e-g-g

◎こぎんさん おはようございます
おっ、大盛堂にお知り合いが、、、
ワカリマシタ、雑誌は大盛堂で買いましょう。
大盛堂書店らしい雑誌もあるかもしれませんし。

◎JFさん おはようございます
>自分では本屋さんを教育しているつもり
まぁ、客の好みを把握して品揃えに反映していくのは
商売のイロハですよね。
そのイロハに頓着しなくなってから、
本屋さんの衰退は始まったのではないか?と思います。
もう、20年ほども前に付き合っていた本屋さんは、
私のことを「アンテナ顧客」と呼んでいました。
たくさん買うわけではないのですが、
とにかく私の買う本を見ていると面白い、と。

本の買い合わせ、やっぱり気になりますよね。
たんに紙を束ねたモノ以上の何かを見てしまいますからね。
ネットで買うとそのあたりも無頓着になりそうです。
私は、仕事用の資料購入にたまに使う程度です。

◎HEIJI☆さん おはようございます
ピピッと反応して買った「只今演奏中」、
それが当たりだと、自分の耳もまんざらではないな、
なんてふと思います。
でも、あれはなんで良く聞こえるんでしょう?
ともかく、いろんな現物に出会える店は良いものですね。

◎takさん おはよーございます
鋭い考察、フムフムと思います。
ただ、郊外型大型書店の品揃えというのは
どうなんでしょうか?
個々の店独自の仕入れの眼はどのくらいあるのでしょう?
チェーン店であれば、その本部のはじき出した売れ筋、
また東販、日販の、、、いやいや止めましょう。

郊外型の書店でも、
たとえば「地方小出版流通センター」扱いの本などを
置いてあると、うん?この店は?とちょっと気になります。

郊外型の書店に行かなくなってしまいましたので、
最近の事情はつまびらかではありません。
面白くて刺激的な書店があれば、
出かけてみたいともおもいますね。

参考図書は、私もなかなか買わなくなりました。
広辞苑第6版も、どうしようかな、と。
 
by e-g-g (2007-11-26 11:18) 

K

みなさーん、日常に本屋がある生活に感謝しましょうね(笑)。
私が住む村には本屋がありません。CDショップもありません。もちろんマックもドトールもスタバもない。襟裳の春か◯◯かというほど何もない。
ネットで目についた本はアマゾンか7イレブンに注文します。まっ、その7イレブンも5キロ離れていますが、村唯一のアミューズメントパークです(笑)。
週に一回か十日に一回の割合で30数キロ離れた町へ行き、本屋、CDショップ、レンタルビデオ屋をはしごして、手足の震えを抑えます。
たまに東京へ行くと、長年住み慣れた町の本屋に直行します。顔見知りの店長が自慢げに私のためにキープしておいてくれた本を出してきて「当たりでしょ?」。ありがたいことです。それから宝探しが始まります。
銀座、渋谷、青山、原宿、赤坂、六本木で都会の香りと息吹きを仕入れて、帰りのバッグの重さには閉口しますが、音がまったくない静寂の中での読書は至福です。妄想さえかきたてられます(笑)。
そもそも、何もないことさえ魅力で選んだ田舎暮らしですから、この不便さはいまのところ気になりません。
ただし、あちこちの町村がやっている団塊の世代向けの「田舎暮ししませんか?」、これにのることはお薦めしません。なにしろ、何もない田舎にも、あばたもエクボの郷土愛があります。余所者、村八分など、びっくりしてしまう空気はあります。中途半端に溶け込むことを考えるより、自分の生き方を貫いて、外人扱い、珍獣扱いされている方が気軽です(笑)。外人にも珍獣にも友達はできますから。
by K (2007-11-26 14:12) 

anan

e-g-gさん、こんにちは。

20年前、親から継いだ本屋をたたみました。昭和23年、父が生きて帰れると思えなかった戦争から戻り、新しい日本を築く喜びと期待に満ち満ちて、商売換えして挑んだ商売でした。

今思えば良いときに閉めたと思います。昨今の状況をかんがみるに…。

私が言うのもどうかと思いますが、場所を得て、当時のインテリジェンスの核となった人々の集まる本屋だったと思います。しかし、1987年頃には、経営ギリギリでした。そこに相続問題が発生したので、いっそ閉めた方が、家族の美学が保たれるという判断。この決断を後押ししたのは、大手取次店の経営戦略、業界の体質もあったのです。今後も一部大手チェーン小売店以外は、存続は難しかろうと想像します。

今、情報を得るのは、ネット、海外TV放送が主流になってしまいました。活字文化をいかに存続させるか、日本文化をいかに継承するか、本当に難しい問題ですね。
by anan (2007-11-26 23:41) 

tak

>ただ、郊外型大型書店の品揃えというのは
>どうなんでしょうか?

→もちろん、あまり見るべきものはないですね。
ていうか、大規模小売店にとっては、商品回転率
がすべてですから、売れる本しか置きません。
そういった意味では、大手取次店の戦略に
完全に乗ってます。まあ、当然のことだと思います。

私は書店というビジネスは、基本的には
「売れる本」を売るべきだ、と思うのですよ。
書店が出版文化の発展に貢献してきたことは
否定しませんが、
慈善事業でやっているわけではありませんし、
読者は、お金を出して本を買うわけですからね。

もちろん、ベストセラーの商品を売ることだけではなく、
量が出なくても、質の高いものを売ることも大事です。
けれどもそれは、「特定の読者には必ず売れる」
というものでなくてはなりません。

そういった本にとっては、書店という流通チャネルは
必ずしも最適なものではなくなってきている、と。
そういうことなのかもしれませんね。
by tak (2007-11-27 12:24) 

e-g-g

◎Kさん はじめまして(ですよね?)
モノに囲まれれば囲まれるほどに、
その有り難みが薄らいでいくのでしょう。
ただ、一見恵まれて見える街も、
そこに集まるモノの意味や価値がどれほどのモノかを考えると、
いまは決して豊かな時代ではない、とも思いますね。

気分だけで動いているような時代です。
その気分を動かす「動機」も軽い。
書店の移り変わりも、このことを反映しているんでしょう。

気心の知れた店長さんのいる本屋さん、
この先も繁盛すると良いですね。
 
by e-g-g (2007-11-27 14:08) 

e-g-g

◎ananさん こんにちは
昭和23年の創業でしたか。
食べることが先決の時代。
同時に世間話、ゴシップから哲学まで、
ありとあらゆる知恵と知識が求められていた時代でしょう。
志をカタチにできた時代とも思います。

戦争の結果としての状況には違いありませんが、
その精神的な高揚感の体験は、
ちょっと羨ましくも思います。

活字文化、日本文化の話。
いま、頭があまりまわりません、近いうちにまた。
 
by e-g-g (2007-11-27 14:36) 

e-g-g

◎takさん こんにちは
書店は出版分化の発展に貢献すべき、
と決めつけてきたところもありますね。
貢献のしようのない本屋さんにまで、
それを求めるのは酷というものです。

仮に、出版分化の発展に貢献すべき本屋さんがあるとすれば、
それは買い手の側も手を尽くして守るべきでしょう。
なんとか商売として成り立つように。

面白い本を探しながらお酒も飲めるビストロ書店とか。
なんだかアホ言ってますけど、
「本を探す・本と出会う場」というふうに考えると、
いろいろとアイデアも出てくると思いますね。
takさんの言われるように、
流通チャネルの検討は必須要件です。

気がつけば、ショッピングセンター型チェーン書店ばかり。
その姿を作っているのは買い手の欲求・要求。
これ、選挙の構図とほとんど同じと思います。
 
by e-g-g (2007-11-27 15:05) 

mamire

最近は本屋さんにいってないです。
というか、そういうところにちっともお出かけしていない。
本はほとんど、ついでのTUTAYA.
最近は立ち読みならず、素敵なベンチまで置いていてくれるのでゆっくり読めちゃうのです。
アマゾンで買うときは新古本です。
書店でお目当ての本を探してないときは聞いてみるのが良いですね。
在庫は、すぐに確認できますものね。
by mamire (2007-11-27 21:16) 

e-g-g

◎mamireさん
最近の書店はパソコンでピピッ、ISBNのおかげですね。
本屋さんに行く頻度、私も若い頃に比べると減ってますよ。
ネットの普及も大きいですね。
それと、なんとなくですけど
ガツンと来る本が少なくなったような気がします。
右を向いても左を見ても、
「気分の良い」ものばかりで。。。
 
by e-g-g (2007-11-28 15:36) 

e-g-g

◎カフェオランジュさん

◎三浦半島の住人さん

いつも、ありがとうございます。
 
by e-g-g (2007-11-29 19:07) 

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