i Pod Shuffle・良質な音のモンダイ

　i Pod にＣＤデータを非圧縮にして、エラー訂正をきちんとして書き込むと、高価なそれも一般常識では考えられないような高価格のＣＤプレーヤーより良い音になる。ソースがSACDであれば、効果も高い。と、オーディオにも音楽にも強い友人から教えられた。

　その方法、原理は簡単である。ＣＤのデータを圧縮せずにそのまま丸ごとを i Pod に書き込むのである。
　もちろん、i Tune の「設定」の「読み込み」にいくつかのフォーマットがあることは最初から知っていた。たぶん、非圧縮の方がきっと音質も良いだろう、という想像は容易につく。ただ、所詮ちいさなイヤーレシーバーから聴こえてくる音はそれなりだろう、過度に期待してもイケナイ、ならば書き込み時間も早い「圧縮」で良いではないかと思っていた。
　そこへ、上の友人からの話である。そうかなぁ、そんなに違うかなぁ、と思った。ただ、そのまま忘れてしまえる話しでもない。で、昨日、試した。

　その結果は、想像していたより良かった。ちなみに圧縮フォーマット（AACエンコード）でいれたものと同じシベリウスのシンフォニーをWAVファイルで書き込んでみた。もちろん「エラー訂正」にもチェックを入れる。「圧縮」した場合のサイズは約48ＭＢ、対して非圧縮ではＣＤそのものと同じ498ＭＢ、要するに10倍の開きである。考えてみれば一桁も違う情報量で音が違わなかったらそれはおかしい。ま、「お薦め」の圧縮フォーマットは“いちおう音楽の形をなす、それなりのサイズ”なのだろう。

　同じソースで聴き比べると良く分かるが、まず中低域の厚みが心もち増して、少しふくよかになる。同時に、高音域の抜けが良くなる。シンフォニーの聴かせどころで活躍する金管楽器が一段と冴えてくる。そのうえで、全体としては何処かにピークのクセがあるという感じはしない。これには、正直あまり期待していなかったイヤーレシーバーの性能も影響大と思う。このレシーバーでこの音なら、評判の高い他メーカーの製品も聴いてみたくなる。ただ、この特質は本体とのマッチングも含めた設計の上手さかもしれない。機械モノは難しいのである。

　こう書いてくると、なにかとんでもなく違う音になるかのような印象を受けるかもしれない。実際には、あるいはごく普通の感覚では、微差である。低域がどうの、高域がさらに、、、などと言っても、極端に違いが出てくるわけではない。しかし、音楽トータルでは確かに違ってくる。そして、いったん分かってしまったものは隠しようがない。ここが、この方面の話の悩ましいところである。
　私はオーディオマニアではない、ハイエンドのオーディオとは無縁だ。かといって、チープなコンポのレベルでは満足できない、その中間にいる今の時代ではもっとも中途半端な音楽ファンである。で、普段はその方面のアンテナはぐっすりと眠っている。今回の事件は、その寝ている子供を起こすような、、、

　さて、私の買った i Pod Shuffle の容量は１ＧＢ。非圧縮では２枚のＣＤがかろうじて入るかどうか。i Pod の製品群の中では、いまのところ80ＧＢが最大である。これとて、限りのある数字。いつかは容量の限界を向かえる。しかしながらＣＤ2枚は、なんとも悲しい。さぁ。どうするか・・・
　昔から雑誌などで「無人島に持っていく１枚」とか「一冊」という編集のお遊びがある。クラシック関係の雑誌でも、ネタ切れのときに見かけたりする。これにならえば、今のワタシは「散歩に持っていく１枚はナニ？」である。

コメント 14

私のようにモノラル録音が殆どのCDではあまり関係ないことですね
しかし、お気に入りのCD２枚分いい感じの制約ですね
by mio (2007-01-17 22:11) 

こんばんは！i-podではないですが、ソニーのを持っています。
どうせ持ち歩くから、良質の音は期待していませんが、ノイズキャンセラーが付いているのでそれなりに快適です(*^_^*)
アルバムはかなり入ります1GBですが、全部島谷さんですけど・・・
ランニングのときはこの曲が終わるまでと決め手は知ってます(*^_^*)
by (2007-01-17 23:25) 

◎mioさん　どうもアリガトウです
えぇ、2枚でもいいんですけど、入れ替えるのが面倒で、、、
　たぶんモノラル録音でも効果はあると思いますよ。モノラルでも、入っている情報は相当にありますから、その情報を上手く引き出せば、また違いも出てくるのでは？と思いますよ。こんど、モノラル盤を探して試してみましょう。

◎月光さん　コンバンハ
　私も、持ち運ぶんだからそこそこでイイよ、と思ってました。ただ、こんど試してみて、これはひょっとするとけっこう新しいオーディオの形なのかもしれない、と思いました。とにかく下手なコンポーネントよりパフォーマンスは高いです。で、それが9,800円ですから驚きです。（80ＧＢは、それなりのお値段ですけど）
　ランニング中、島谷さんに熱中しすぎて転けませんように！
by e-g-g (2007-01-18 00:02) 

こんばんは。
質をとるか量をとるか、ですね。自分はライトユーザーなので量をとりますが、たまにCDをオーディオで聴くとやっぱり違いますね。
さらに違うのが昔ながらのレコード。TVでCDとレコードの聴き比べをやっていたのですが、TV越しでも音が違うのがはっきりわかりました。
（もしかしたら差を大きくするためにCDの音をつぶしていたのかも知れませんが）
by mykie (2007-01-18 01:37) 

大のお気に入りが、2枚あったらよいと思います♪
何枚分も持って出ても結局気に入ったのしか聴かないあたしの場合です（笑
by umi_umi (2007-01-18 09:52) 

◎mykieさん　おはようございます
そもそも、i Podのコンセプトはライトユースですよね。非圧縮で書き込んでいるユーザーは、少ないでしょう。ただ開発者の意識に、ちゃんと入れるとこんなにスゴイよ、それも伝えたいという思いもあるのでは？そんな感じもします。TVでのCDとレコードの聴き比べというのは知りませんでした。どう聴こえるんでしょう・・・

◎海さん　おはよーございます　依然として雪は降ってないですか〜
そーですね〜　お気に入りのＣＤが２枚あれば良し！ですね。放っておくと人間ってどんどん贅沢になっていきますデス
by e-g-g (2007-01-18 10:37) 

こんばんは。お久しぶりです。
この記事を見て、早速教えてほしい！と思ったのは”ＳＡＣＤ”の記録です。
デジタルtoデジタルで記録する方法があるのですね。ワクワク。
by micyu (2007-01-18 18:27) 

いいことを教えていただきました。iPodを買ったら試してみます。いつか・・・。
で、やはりもうちょっと容量の大きなのがいいかな、なんて思いました。
by kom (2007-01-18 21:20) 

いろんな方法があるのですね。
CD2枚と言うのも散歩にはいいかもしれませんね。
ヘッドフォンもいいのが欲しくなるのでは、、、。
by カズ− (2007-01-18 22:41) 

◎三浦半島の住人さん　こちらこそお久しぶりです
SACDのデータが、そのまま書き込めるか？というお話かと思いますが、詳しいことはワタシも良く分かりません。もし、文字どおり全データを入れられれば専用プレーヤーも不要、ということになるのでしょうか？？？ハイブリッドのSACDの音質は、通常のプレーヤーで聴いても、ある程度は良くなりますよね。たぶん、その傾向はそのまま反映されるのではないかと思います。（間違った解釈でしたら、ゴメンナサイです）

◎komaさん　こんばんは
たくさん入れた場合に選曲しにくくなる点を、逆に「シャッフル」という概念に置き換えるなんて、じつに巧妙だなぁと思います。それでも、Shuffle は手軽さという点で、良くできたモノと思います。小さくて軽くて、ほんとうに邪魔になりません。ある程度のボリュームを考えた場合は、やはり通常の i Pod になるでしょうね。

◎カズーさん　こんばんは
そうなんです、一日中音楽無しでは生きていけない！という人にはもの足りないでしょうが、ワタシなどにはこのCD二枚分は手頃です。ただ、その入れ替えがちょっと面倒・・・
ヘッドフォン、いろいろと評判があちらこちらからきこえてきます。悩みそうです
by e-g-g (2007-01-19 02:26) 

>SACDのデータが、そのまま書き込めるか？というお話かと思いますが、
>詳しいことはワタシも良く分かりません。

こんにちは。
そうですか。やっぱり今のところ無理なのでしょうか。（勉強していないので･･･）。おそらく記録はできてもデコードできないんでしょうね。しかしそのうち出てくるかもしれないので、ゆっくり待ってみます。

>ハイブリッドのSACDの音質は、通常のプレーヤーで聴いても、ある程度は良くなりますよね。

マスターの違いですね。良い品質の音（マスター）を使うので良くなってくるんじゃないでしょうか。記録方式は変わりません。
これはレコードとCDも同じ、CDが出始めた頃に「CDは音が悪い」と言われていたのと一緒です。当時、アナログテープをデジタルにする技術がこなれていなかったせいだと思います。
リ・マスターのCDを聞き比べるとその違いに驚いてしまわれると思います。
by micyu (2007-01-19 15:39) 

◎三浦半島の住人 さん　こんにちは
同じ音源でも、リ・マスターでずいぶんと変わりますね。そのあたりをマニアックに追いかけはしませんが、いつとはなしに増えてしまった同じソースのＣＤ、ときどきエッ！こんなに違う！と驚くことがあります。国内盤と輸入盤でも違ったり、、、深入りするとタイヘンですね。
by e-g-g (2007-01-20 18:00) 

CDをwaveファイルで吸い出したときの
ファイルの大きさは、たしかに500MB
くらいありますね。
それを、そのままシリコンオーディオに
入れてしまうというのは、私にとっては
思いもかけない方法でした。
いつのまにか、シリコンオーティオという
ものは音が悪いもの、という固定観念が
できていたのですねー。
by kokudoh (2007-01-21 21:58) 

◎takさん　こちらへもお越しいただいてありがとうございます。
　CD→WAVEファイルは、600MBを優に超えるものもありますね。ハードディスクの容量がどんなにあっても足りなくなりそうです。
　i Pod の音、正直言って良いです。ナチュラルでへんな癖が付いていない音がします。聴き疲れしない音かと思います。
by e-g-g (2007-01-21 23:13)