内田光子のモーツァルト(ジルヴェスターコンサート) [聴く・クラシック音楽]
ベルリンフィルのジルヴェスターコンサートをテレビで見た。内田光子とサイモン・ラトルの演奏、曲はモーツァルトのピアノ協奏曲・第20番。久しぶりに鳥肌が立った。
やっとの思いで年賀状を投函し、気が付けば日付は2007年1月1日。そういえば、ラトル、ベルリンフィルのコンサートの生中継があったはず、とNHK BS放送にチャンネルを合わせると、番組はすでに始まっている。
モーツァルトの第20番のピアノ協奏曲、その第一楽章も後半である。画面に映るピアニストの手のアップは、はて誰だろう?あまり若くはないようだ、、、と、少し冷めた感覚で見ていると、聴き慣れたいつもの20番と少し違う。うん?これモーツァルト?と思うほどにダイナミクスが大きい。たしかに聞こえているのはモーツァルトのコンチェルトなのだが、、、
画面が変わり、内田光子さんの表情がアップになる。そうか、内田さんの20番か、惜しいことをしたなぁ、最初から録画しておけば良かった。でも、そんなこともある、ま、途中からでも聴いてみよう。
なんとも半端だが第二楽章から録画を始める。第一楽章の後半でも、かなり抑揚の大きい音楽だったから、この第二楽章でもきっと「入れ込んだ」感じになるだろう、と予想はついた。声を上げて歌い出しそうな表情、大きな身振り、まるで舞踏家が自分の踊りのなかに入り込み無我の境地になるような、そんな内田さんである。
ちょっとオーバーかな、と思いつつも内田光子の紡ぎ出す音楽にぐんぐん引き込まれる。ちょっと怖いくらいの緊迫感と陶酔感。ダイナミクスもテンポも大きく振れる。たぶんこんな演奏はピアノのレッスンでは絶対に教えないだろう。“もっとテンポを一定に、モーツァルトは音を揃えて惹くものですよ”と。モーツァルトらしいか、らしくないか、そんなこともどこかへ消し飛んでしまうほどの、それは迫力だった。
第三楽章のカデンツァが凄い!もうほとんどジャズである。ともかくあんなに自由奔放なカデンツァは聴いたことがない。オーケストラもこの部分は小休止だから、まさに内田光子のモーツァルトが何の迷いも遠慮もなく出てくる。聞き逃した第一楽章のカデンツァが惜しまれる。とにかく、これは凄い!かつてのグルダの演奏でも、これほどまでではなかったろうと思う。
とにかく、聴き終わって、どっと疲れた。いや、これは気持ちの良い疲れだが、同時に本当に鳥肌が立った。現場の聴衆の興奮も画面を通して伝わってくる。隣の席の人に、とにかく何かを話さずにはおれない!そういう熱狂が伝わってくる。この演奏を目の当たりにした人々は、まったくなんという幸せ。
番組は、このあとシュトラウスの「バラの騎士」になるのだが、それは聴かずに録画だけする。たまたま聴いた内田さんのモーツァルトのショックがあまりにも大きく、他の音楽を聴く気になれなかった。
今朝、元旦早々だが、この演奏を再度聴く。インパクトは変わらない。これからの私のモーツァルトの聴き方を変えてしまうかもしれない。演奏の力はすごい。そして、モーツァルトもやっぱりすごい。
すごい、すごいといっているだけでは、なんの意味もないが、ひとまずこの段階で記事にする。たぶん、これから何度も聴くと思う。少し冷静に聴けるようになったら、またちゃんと書こうと思う。
明けまして おめでとう ございます
今年もよろしく お願いします^^
by ちゃわ犬 (2007-01-01 20:37)
あけましておめでとうございます。
皆様のご多幸とご健康をお祈りいたします。
年末に買ったDVDがたまたま「ネオ・ファンタジア」だったので、自分もおおみそかはベルリン・フィルなど・・。そういば、クラシックで知ってる曲は(ほんの少しですけど)この映画で覚えたものが多いです。「ファンタジア」よりも多いかも。
by kom (2007-01-01 20:40)
◎murasawaさん おめでとうございます。
こちらこそ よろしくお願いいたします。
by e-g-g (2007-01-01 23:34)
◎komaさん 今年もよろしくお願いいたします。
ネオ・ファンタジアはカラヤンだったでしょうか。面白そうな映画だったので、見たいなと思ってます。DVDで出ているんですね。
by e-g-g (2007-01-01 23:39)
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします(*^_^*)
ザルツブルグに行った時モーツアルトのアパート見て「えっ!」て思わず言ってしまいました。昔は鍵盤が白黒逆だったそうですね。
そこでCD買いましたがどこに行ったかわかりません(*_*)。。
by (2007-01-02 00:07)
◎月光さん
ザルツブルク、行かれましたか。いずれモーツァルトのオペラを観に行きたいものです。白黒逆の鍵盤は、いつごろ今のようになったのでしょうね?
by e-g-g (2007-01-02 17:27)
明けましておめでとうございます。
音楽の記事を見ていて、かなりお好きで詳しいのが伝わります。
知らない分野のこともブログで気づいていくのもなかなか私には糧になります。今年も記事見ますので期待しております~。
本年もよろしくお願い致します。
by Montego-Blue (2007-01-02 20:44)
◎Montego-Blueさん おめでとうございます。
あまり興味の湧かない記事はどんどん飛ばしてください。
“知らない分野のこともブログで気づいていく”これ、同感です。自分を出しつつ頑なにもならず、素直な心持ちでいきたいと思います。
ともかく、今年もよろしくお願いいたします。
by e-g-g (2007-01-02 22:27)
はじめまして。内田光子の素敵な演奏の思い出にトラバさせて頂きました。
by 土曜日の各駅停車 (2007-01-03 11:27)
◎土曜日の各駅停車さん はじめまして
すごい!すごい!と書いているだけの記事をお読みいただきありがとうございます。具体的にどう凄いのかを書かなければいけないのですが、、、。でも、あの内田光子のピアノを素敵と思われた方がいらっしゃるのを知って、ちょっと幸せな心持ちです。
これからも、よろしくお願いいたします。
by e-g-g (2007-01-03 15:22)
あけましておめでとうございます。
クラッシックについては 詳しい事は分りませんが
時々 静かな音楽が聴きたくなることがあります。
元日の夜も 一人でBSでやっていたウィーンフィルニューイヤーコンサートを
暫し聴いて過しました。
今年も 色々な記事を楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
by 東雲 (2007-01-03 15:48)
◎東雲さん あけまして おめでとうございます。また、コメントをありがとうございます。
ニューイヤーコンサートはすっかりと元日の風物詩になりましたね。あれを聴くと“あぁ、お正月”と感じます。ただ、今年は孫軍団に取り囲まれていまして、ほとんど聴けませんでしたけれど。
ともかく、新しい年が明けました。これからの一年も よろしくお願いいたします。
by e-g-g (2007-01-03 16:21)