さいたま好日 2 小林征治・水彩画展 [絵の周辺と展覧会]
大宮で “さいたま好日 2 小林征治・水彩画展” が開かれている。
初日の今日（６日）、出かけてみた。
色使いやタッチを通して伝わってくる小林さんの画風は、
40数点のどれもこれも、とても気持ち良く、そして静かなのに強い。
さいたま市の様々な表情を描いた風景画とともに、
果物等を描いた静物画が展示されて、これがまた良い。
私が水彩画を描こうと思いたったのは、
友人の塩沢宗馬君の絵に出会ったことがきっかけである。
その塩沢君の絵からは多くの刺激を受けたが、
もちろん、作風の違う作家の絵も目に入ってくる、
その一人が小林征治さん。
描きはじめて間も無い頃、図書館で見つけた小林さんの本に、
目が釘付けになった。
小林さんの描く水彩画は、風景画も静物画も実に丁寧だ。
いや、丁寧というとちょっと誤解されるかもしれない。
細かく正確に描く、という丁寧さとはちょっと違う。
もちろん、丹念に書き込まれた民家の屋根瓦の描写などを見ていると、
う〜〜んと、唸ってしまう。この根気と技術が必要なんだよな、と。
小林さんの丁寧さは、まず「見る丁寧さ」と思う。
家であればその構造、木々であれば枝の伸び方や葉の茂り方、
草むらならその草のはえかた。
言葉にしてしまうと簡単だが、それぞれを地に足の着いた
確かな存在として画面に定着させるには、
やはりしっかりと丁寧に見つめないと、手が動かせない。
そこのところが実に確実に的確に捉えられているため、
絵全体の落ち着きが伝わってくるのだろう。
風景画だけでなく、テーブル上の静物も同じである。
デッサンの正確さ、と言ってしまえばそれまでだが、言うは易し、
とにかく、ごまかしのない清々しさが気持ち良く目に映る。
会場の「櫻守」は、大宮駅から歩いて15分強、ちょっと遠い。
だが、日本家屋の良さが感じられる建物も、目の和む庭園も、
小林さんの絵の展示にはうってつけと思う。
何の変哲もない国道をちょっと逸れただけでこんなに素敵な
空間に出会えるとは、ちょっと驚いた。
今日は、ちょっと汗ばむような陽気だったが、
出向いて良かった。近ければもう一度訪れたいものだ。
■さいたま好日 2 小林征治・水彩画展
2010.10.6〜24日（11、12、19日休廊）
庭園ギャラリー 櫻守
さいたま市大宮区堀の内町2-57
http://omiya.ne.jp/sakuramori.htm
こんばんは
ご来訪ありがとうございました。
水彩画などの絵を描けるようになるのは私には先々の夢です。
by とらさん (2010-10-06 21:03)
一点見ただけでも水彩画の神髄を見た感じです。＠～＠v
by よしあき・ギャラリー (2010-10-07 06:01)
こんにちは＾＾
わぁ〜私も好きです♪
柔らかいタッチと優しい色使い、拝見したいです。
大宮ですか・・・ちょっと遠いので、又機会がありましたら是非！
お名前をしっかりメモさせて頂きました(^^)
by いろは (2010-10-07 13:57)
柔らかい陽射し･･･柔らかい色彩･･･とても素敵な作品ですね。
この方のシャープ過ぎないタッチにも、とても惹かれます。
よく見て、丁寧に仕上げていく、まさにそんなかんじです。
できれば観に行きたいですねえ。手帳とにらめっこです。
by ＪＦ (2010-10-07 23:20)
絵を描かれている方は素人とはまた違う見方をされるんですね、
丁重に描くとはやはりその方のご性格から来るのでしょうね、穏和な表情をしている方でした、大宮は遠いですね、千里の道も一里でしょうか・・・
by ももこ (2010-10-08 01:29)
本当にほのぼのとしてくる絵ですね。
私には絵のセンスが無いのでたぶん眺めるだけになりそうです。
by tochimochi (2010-10-08 12:36)
◎とらさん さん
コメントをありがとうございます。
立体の作品も平面も、いろいろと自由にできると良いですね。
◎よしあき・ギャラリーさん
優しさ、丁寧さ、それと色の美しさ、ほんとうに高い技術です。
それと、なんと言っても作品に品格があるんですね〜
機会がありましたら、ぜひご覧ください。
◎いろはさん
とにかく、とても幸せな気分にさせてくれる水彩画です。
大宮はちょっと遠い印象ですが、
渋谷から30分なんですよね、機会がございましたらどうぞ。
◎ J F さん
＞シャープ過ぎないタッチ・・・
まったくその通りです。
大声で叫ばなくても、伝わるものは伝わる、そんな印象です。
ご覧になって絶対に損は無い！と思います。ぜひどうぞ
◎ももこさん
この夏にお会いになられてるのですよね。
この日、絵の周辺とその他諸々、
いろいろと話をさせていただきました。
トーゼン、刺激を受けまして、
ハイ、ワタシも心して描かなくては！と。
◎tochimochiさん
コメントを、ありがとうございます。
小林さんの絵は、どれも気持ちの和むものばかりです。
機会がございましたらご覧ください。
きっと良い時間が流れます。
by e-g-g (2010-10-08 16:25)
冒頭のご案内状の画を観ただけで、他の作品も観てみたくなりました。
庭園ギャラリーという場所にも心惹かれます。
この連休に訪ねてみようかな・・・（既にダーリンをどう誘うか思案中＾＾；）
by haru (2010-10-08 18:32)
まず、美しい色彩に見とれました。
「丁寧に見ること！」ああ、なるほどです。
by いそしぎ (2010-10-08 22:12)
とてもしっかりしているのに、嫌な硬さがなくて、その場の空気がそのまま伝わるような絵ですね。
パン屋さんのたたずまいだけでなく、描かれている花や樹木の種類がちゃんとわかるあたり、すごい観察力と描写力だなぁと見入ってしまいました。
風景描きたくなっちゃいました。足元にも及ばないだろうけど（＾＾；；
by しろのぽ (2010-10-09 01:57)
わー、素晴らしい水彩画ですねー。
美しい色彩と、確かな描写、優しくてウットリしました。
会場の「櫻守」も素敵なたたずまいですね。
by クララ (2010-10-09 06:48)
おはようございます＾＾
気持ちを落ち着かせてくれる絵ですね。
もう少し近かったら飛んで行きたいところですが、
ここに行くには一日仕事・・・さて
by mimimomo (2010-10-09 08:54)
素敵なタッチで、手に入れたい画家ですね。
『ステップアップ水彩画』など、ノウハウ本も出していますね。
by oira (2010-10-09 09:10)
ドアが開いてパンを持った人が現れそうな絵
木々の緑の素晴らしいこと・・・
by 侘び助 (2010-10-09 09:43)
水彩画は大好きです。油絵はよく分かりません。
こういう絵が描ける方を羨ましく思います。
by Silvermac (2010-10-09 11:31)
これは小径の自転車で通ってみたい風景ですね。
日陰からみてる感じがなんとも涼しげいいです。
by 響 (2010-10-09 14:08)
ほんとに目が釘付けになる絵ですね。
「見る丁寧さ」・・・そうですね、大事ですね。
せっかちな私には、とても勉強になる視点です＾＾
by gwan3 (2010-10-09 14:09)
ご無沙汰しています。
原点回避ですね。
自分の原点に立ち返る事は大事ですよね。
日々の流れの中で、ついつい、忘れてしまっていることもありますもんね。
きっと、またこれからの絵にも影響あるんでしょうね。
素敵な絵、楽しみにしてます！！
by 井上酒店 (2010-10-10 00:14)
構図、色使い、タッチどれも好きです。
特に上にかかる葉の緑と自転車の細やかな描写。
行ってみたくなります。
写真だとこうはいかないかもしれませんね。
by 浜松自宅カフェ (2010-10-10 10:26)
◎haruさん
とても優しさのあふれる絵ばかりです、ぜひ！
ギャラリーも、なかなか落ち着いてよいところですよ。
◎いそしぎさん
きれいな色ばかりだと画面が軽く賑やかになってしまいますが、
小林さんの水彩画は、そのコントロールが絶妙で見飽きません。
◎しろのぼさん
しっかり見るのも大変、しっかり描くのも難儀、
でも、そこを超えないと絵にならないんですよね、
と、問いつめられる気分でした。
by e-g-g (2010-10-12 11:20)
◎クララさん
他の作品もご覧になれると良いですね、
小林さんの優しい世界に引き込まれますよ。
◎mimimomoさん
展示作品はどれもこれもみな気持ちを落ち着かせてくれます。
機会がありましたら、ぜひ！
◎oiraさん
私も最初に手にした本は『ステップアップ水彩画』でした、
水彩でこんなに描けるのだ！と、ちょっと感動しましたね。
by e-g-g (2010-10-12 11:24)
◎侘び助さん
他にも良い絵がたくさんありますよ。
＞木々の緑・・・
これは本当に素晴らしいです。
◎Silvermacさん
水彩も油彩も、訴えかけてくる何かがあれば良いですね、
＞こういう絵が描ける・・・
私も多いに刺激を受けてます。
◎響さん
絵も写真も、要は光なんですよね、
それをちゃんと捕まえている絵です、素晴らしいですよ。
by e-g-g (2010-10-12 11:31)
◎gwan3さん
私もせっかちな方で、
つい、ささーっと描きたくなるんですけどね、
それが表現になるのはなかなか大変、、、
ともかく、ものすごく参考、いや勉強になります。
◎井上酒店さん
小林さんの絵は何度も見ていますが、
そのたびに、いろいろと刺激を受けます。
で、その都度、さてワタシも！と思うのですよ。
◎浜松自宅カフェさん
細やかだけど神経質ではない、小林さんの絵の特徴ですね。
写真と絵の違い、ほんとに大きいです。
by e-g-g (2010-10-12 11:39)
おはようございます♪
記事のアップにタイミングがずれて遅くなりました<(_ _)>
e-g-g さんの絵も大好きですが小林さんの絵も何と言って
いいのか素晴らしいです。
ギャラリー「櫻守」は京の櫻守・佐野藤右衛門さんと何か
関係があるのかなと思いました。
「杜のパン屋さん」題名も素敵なんですね(^^♪
by ミモザ (2010-10-13 07:04)
◎ミモザさん
小林さんの絵、素晴らしいですよ、機会がありましたらぜひ！
＞京の櫻守・佐野藤右衛門さん・・・
これはまったく知りませんでした！
ギャラリーとの縁はどうなんでしょうか、、、
知っていればそれなりにチェックもしてきたのですが、
いや、ほんとに世の中知らないことばかりです。
ありがとうございました。
それにしても、櫻守とは良い言葉ですね。
by e-g-g (2010-10-14 18:27)
素敵な絵ですね！
ジブリ映画の 魔女の宅急便のパン屋さんみたいです♫
大宮には 独身の頃１年ほど住んだ事がありますが、
あの頃と比べると随分と都会になってビックリです＾＾
by 東雲 (2010-10-15 17:07)
◎東雲さん
魔女の宅急便、、、
そういえばそんな印象もありますね。
大宮に住まわれていたのですか、
私は今回、初めて訪れました。
盆栽の街ということくらいしか知らない大宮、
駅前の細い路地の古い街？と、
新しいマンションなど、いろいろ混在していました。
by e-g-g (2010-10-15 18:18)
ステキですね。
こんな絵が描けたらいいな～と思います。
私の元上司、橋本清一画伯とも通じるものがあるような、、
by maki (2010-10-22 22:33)
◎makiさん
＞こんな絵が描けたらいいな〜
と素直に思える絵の数々です。
今日までの展覧会、きっと盛況だったことでしょう。
by e-g-g (2010-10-24 19:35)