“鎌倉からはじまった。PART 3:1951-1965” [絵の周辺と展覧会]
はじめて鎌倉の近代美術館を訪れたのは1961年だったと思う。
開館からまだ十年目、白く輝く建物が眩しかった。
当時通っていた中学の校舎は、たぶん終戦直後の建築と思われる。
いや戦前からあったのかもしれないが、
ともかく、その素っ気ない校舎ばかり見ていた目には、
鎌倉のこの美術館の“近代”はたしかに眩しく映った。
“鎌倉からはじまった。PART 3:1951-1965「鎌倉近代美術館」誕生”
いよいよ今月いっぱいで閉館になる美術館の最後の展示だ。
週末を避け、できれば晴れて暖かい日に、と思っていたけれど、
ついに、あと半月になってしまった。
そろそろ行かねばきっと後悔するぞ、と訪れた。
予想ほどの混雑は無く、やや混んでいる程度、午前中に行って良かった。
(でも、土日はきっと大混雑と思う)
展示は、草創期の15年間に集められた絵画と彫刻、
その大半は日本人作家のものだが、
コレクション第一号のミノー『コンポジション』も見られた。
80人ほどの作家の作品が、次から次へと目まぐるしく登場する。
松本俊介の『立てる像』(これは見たかった作品のひとつ)も、
ゆっくりと見ることができた。まずは良し。
歩き疲れるることのない適度な広さ、
八幡宮の祝祭的な雰囲気と妙にマッチする近代性、
周囲の環境との調和、とくに池の水の効果は素晴らしい、
そして、なによりその威圧感の無さが好ましかった。
それにしても“技術の粋”の結集であるはずの“近代建築”が
たった65年ほどで使いもにならなくなるとは、、、
正倉院ほど長寿でなくても、もう少し長持ちするやり方は無いのだろうか。
閉館と聞いて急に気にかけるのもどうかとは思うけれど、
美術館としての今後の活動の行方、こちらもいろいろと知りたい。
実際、この美術館の本当の力については、未だよく知らないし。
さて、ほんとうのラストまであとわずか、もういちど、、、かな?