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「源氏物語みちしるべ展」 [日々の記録]

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さて
  いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、
  いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

全編を読んだことなど無論一度も無く、はじめの数ページから先へ進んだことも無い。
でも、この “いずれの御時にか、・・・” は、
まるでベートーヴェンの交響曲第五番「運命」の冒頭のように、
そうそう簡単には頭から離れない。

『正訳源氏物語・本文対照』、
逗子在住の中野幸一氏(国文学者)が著した現代語訳の全10冊。
その第一冊の出版に併せて「源氏物語みちしるべ展」が開かれている。
場所は、JR逗子駅前のギャラリー「アートベース逗子128」。

例えば、
 いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、
これは
 どなたさまの御代でしたでしょうか、女御とか更衣とか申されるお妃方が、
となる。

千年昔の日本語が読めなくても、
加えて読み続ける気力が湧かなくても、これなら大丈夫かもしれない。
全10冊、、、先は長いなぁと思いつつほんの少し気持ちが動く。

著作の原稿や初校(いわゆるゲラ刷り)から念校までの資料。
(源氏物語も国文学もまったくの門外漢だけれど、
 このゲラや念校といった言葉にはピピッと反応してしまう)
複製ではあるが多数の絵巻。
いつもの逗子とは違い、かすかに衣擦れの音が聞こえるような、
そんな落ち着いた時の流れる会場でした。
それにしても、こんな展示が地元で開かれるのは嬉しい。

会場:アートベース逗子128(逗子市逗子1-5-4)* JR逗子駅のほぼ駅前
会期:16日(月)まで

*関連情報
源氏物語展の様子は・・・

逗子在住中野幸一さん「正訳源氏物語」を出版

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