光の春、葉山。 [水彩画とスケッチ]
太陽の位置が日増しに高くなってきた。
2月中旬、好天の正午近く、南の陽差しを身に浴びる。
逗子の西部にある高台から見下ろすのは葉山の海。
すでに霞の春が近い。
空気の透明度が下がるのと引き替えに、暖気がやってくる。
そして真冬には見えた大島が今日はほとんど見えない。
イヤフォンから流れるメンデルスゾーンの無言歌、
この風景にこれは似合いすぎ。
途中からは穏やかに吹き渡る風の音に切り替える。
きわめて単純な反応ではあるけれど、
春の日差しを受けていると体を動かしてみたくなる。
そろそろ自転車のタイヤに空気を入れて、
あの岬の向こうにまで走ってみようか、花粉よけのマスクを二重にして。
『光の春』
F6(42×32cm)White Watson・水彩