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葉山、小浜。 [水彩画とスケッチ]

20140927_kohama.jpg


このところ鉛筆スケッチばかり、
パレットの絵の具も乾いたままだ。

逗子の渚橋交差点から県道207号を森戸方面に向かい、
葉山町に入るとすぐに葉山港、葉山マリーナが現れる。
その葉山港の手前に、小さな、ほんとうに小さな浜がある。
一色、森戸、長者ヶ崎、大浜、といった他の葉山の海岸に比べれば、
浜というのも気が引けるほどの小ささだ。
なにしろ、砂浜の長さが100メートルにも満たない。

海岸の案内板には「小浜」とある。
浜に上がった貸しボートにも「葉山・小浜」と書かれているが、
この地名、地図ではあまり見かけない。
また「鐙摺小浜」という呼び方もあるようだ。
とにかく、これだけ小さいと誰でも小浜と呼びたくなる。

9月の27日、その小浜の遊歩道から砂浜越しにレストランを眺める。
建物(LA MAREE DE CHYAYA)はかなり単純な構造なのだが、
規則的に並んだ窓を描くのが意外に面倒くさい。
正午前の光は平凡、描くなら、たとえば日没前の夕景あたりが良さそう。
とはいえ、描き始めたからにはなんとか仕上げよう。

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ときおり吹く風に舞い上がった砂がスケッチブックの上に落ちる。
陽差しはちょうど良いのに、この風がちょっと厄介だ。

少し離れたところで同じ世代(と思われる)男性が、
ウィンドサーフィンの帆をセットしている。
ひとしきり作業を終えて、浜辺へ向かうがすぐに引き返してくる。
聞けば、今日の風に合わせたつもりが、少し小さかったので、
もう一回り大きいものに変えるとのこと。

ところでウィンドサーフィンの帆の大きさは、
たとえばS・M・L・・・とかなんですか?と素人丸出しの質問をしてみる。
いや、平米数です。これは5.5平米です。
風があるので4平米を準備したが、思い直して5.5平米にしました、と。
なるほどね~ 世の中知らないことばかりなのだ。

スケッチを終える頃、ウィンドサーファーおじさんも沖から戻ってきた。
どのあたりまで行ったのだろう? 聞けば良かった。
ともかく、陸上の「道」の他に、海の道もあるわけで、
そこから見る風景、それを眺めてみたい気もする。


このあたり一帯は鐙摺(あぶずり)とも呼ばれている。
その昔、頼朝がこの地を訪れた際、
山路が狭く馬の鐙が摺れたところから、
鐙摺の名がついた、そんな由来があるそうだ。
目の前の海とは無関係な地名だが、印象的な名前だ。


このスケッチをしている最中に御嶽山が噴火した。
楽しいはずの紅葉登山が一転。
マグマのエネルギーを抱え込み、
プレートのせめぎ合う上に乗っかっている日本、
山も海も美しい姿は事象の半面か。

『葉山、小浜。』
A4 CANSON SKETCH PAD 鉛筆

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