梅は咲いたか [水彩画とスケッチ]
梅は咲いたか 桜はまだかいな・・・
唄の色っぽさとは裏腹に風情のない話だが、
例年だと、この2月の10日前後に花粉症が始まる。
寒かった、というよりまだまだ寒いこの冬は、
その飛散も先延ばしにしてくれる。とてもありがたい
しかしながら、寒い。
こんなに冷気に包まれた冬は、ちょっと珍しい。
霜柱を踏みつぶす子ども時代の朝の記憶が蘇る、
そう、昔は寒かった。
当然、梅の開花も遅いと思う。
近所の公園もまだ蕾のものが多い。
と園内を歩いていたら、
なんとも風格のある(ように見える)梅の老木が目に入る。
その姿はどう見ても苦悶のカタチとしか見えない。
こんなに無理をしなくても、もっと素直に生きればよいのに、
と、つい思いたくなるほどだ。
それでも、幹から唐突に伸びた細い枝には、紅い蕾がしっかり付いている。
生まれたばかりの蕾と、
生きる辛さを一身に背負ったような太い幹の対比。
不思議な樹だ、梅は。
『梅は咲いたか』 東京目黒・菅刈公園
F6(40×31.5cm) Montval CANSON・水彩