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年の暮れに、『年暮る』を見る。 [絵の周辺と展覧会]

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『京都はいま描いといていただかないとなくなります。京都のあるうちに描いておいてください。はじめてそれを東山さんに言ったころ、私は歩きながら、山が見えない 山が見えない と我にもなく悲しんでいたものだ。みにくい安洋館が次々と建ちはじめて、町通りから山が見えなくなったのである。・・・』

 川端康成が東山魁夷に送った手紙を、後に川端自身が述懐した文章である。この川端の想いに応えて東山は『京洛四季』を描いた。そのうちの『年暮る』と『春静』、それと『緑潤おう』、『秋彩』、この4点が「没後十年記念・東山魁夷と昭和の日本画展」の「第四章:魁夷が描く京の四季」として展示されている。関東平野だけが晴れマークの日曜日、その絵に会いに広尾の山種美術館へ向かった。

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