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夏の絵日記 葉山・真名瀬漁港 [水彩画とスケッチ]

20150908_shinnase.jpg


初めのうちはボーッと眺めているだけの風景、
時が経つと、そのなかに光の道筋が少しずつ感じられる。
良い絵はそのあたりを的確に掴み取った結果なのだ。

見える風景のどこがいちばん明るいか?
また最も暗い部分はどこか?
まずはここを見分けるのが作業のはじまり。

ではあるけれど

空、海、船などなど、それらの色は光があって初めて目に届く。
ところが、その色の存在が明暗の判断の邪魔にもなる。
鮮やかな色(彩度の高い色)は明るく見えるけれど、
明るさ(明度)まで高いとは限らない。ときには鮮やかでも暗い色はある。
同じように濁って(再度の低い)一見暗く見えても実は明るい色もある。

色は厄介なのだ。

デジタルカメラや画像ソフトのように一瞬のうちに「モノクロ化」するモード、
これが生身の目にもあれば便利かもしれない。
もっとも、モノクロフィルムしか手に入らなかった時代は、
「色の助け」が無いから、明暗のバランスを掴むという点では
今よりも鍛えられたかもしれない。

などと他愛のないことを考えながら夏の絵日記を一枚。
場所は葉山、真名瀬漁港の釣り船。

『葉山・真名瀬漁港にて』
F6(31.5×42cm)水彩

nice!(83)  コメント(23) 
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コメント 23

mimimomo

おはようございます^^
中学時代だったかな、明度、彩度、補色関係・・・等々勉強しましたが・・・絵は上手くならなかったわぁ~(__ 当たり前か(^-^
夏の絵、思い出がひっそりと感じられます。
by mimimomo (2015-09-09 06:42) 

匁

いいですね。
郷愁を呼び覚まします。
そう言えば、匁は何年も海岸を眺めていません。
まして、船を!!


by (2015-09-09 08:28) 

般若坊

涼しそうな夏の風景ですね。絵日記っていいですね。絵が描ける人は、羨ましい・・・ ^^
by 般若坊 (2015-09-09 10:50) 

侘び助

あっという間に海のシーズンが去っていきます~~
by 侘び助 (2015-09-09 12:23) 

ponnta1351

あの暑さは何処へ行ったのか?台風の影響で凄い雨です。
素敵な水彩画を久しぶりに拝見。
この頃は友人宛てのハガキに顔彩で季節の花を描くだけになってしまいました。
by ponnta1351 (2015-09-09 13:36) 

いろは

こんにちは^^
あのギラギラした夏ではなく、爽やかな風を感じる夏の海辺、
柔らかなタッチの風景画は心がなごみます。
by いろは (2015-09-09 14:03) 

engrid

色のお話
勉強になります、
明度と鮮やかさの微妙さ、難しいです、
by engrid (2015-09-09 17:46) 

yumi

ピカピカに光る海。船に反射した光が当たる!カッコイイです。
こんな光景が身近にあるのは羨ましいです。(と言ってもこんな厄介な絵は描きませんが)
色と明るさの問題、全く同感です。ですが、この絵も明暗がバシッと決まって流石です。
by yumi (2015-09-10 20:13) 

OJJ

岸壁と船の間の濃淡・・流石ですね~理屈ではなく感性が!
黒板ジャックの美大生の絵とはまた違って画面の拡がりを感じます。
by OJJ (2015-09-11 08:36) 

e-g-g

◎mimimomoさん
早々とコメントを頂いていたのに遅くなってすみません。
色相・明度・彩度、色の三要素ですね。
私も中学時代に見た「色立体」の記憶が残っています。
でも「見た」と「分かった」は別物、理解するのはなかなか厄介ですね。

◎匁さん
海でも山でも良いのですが、
季節ごとに変わる表情が見られるのは嬉しいですね。
今日は強い光を受けて海の色も濃くなっています。

◎般若坊さん
見て感じて、描きながらまた反芻してます。
絵は一景で二度楽しめます。

◎侘び助さん
ほんとうに海のシーズンは短いですね。
海の家もとっくに撤去され逗子や鎌倉の海も静かになりました。

by e-g-g (2015-09-12 13:39) 

deko

明暗のはっきりした絵、憧れますね。^^
自分でやってみようと思うと、思い切りの悪さからか、
ぼやっとした絵になってしまいがちです。とほほ。
by deko (2015-09-12 17:51) 

e-g-g

◎ponnta1351さん
台風からはやや離れていたのに、あれほどの大災害が起きるとは、、、
自然の力を侮ってはいけませんね。
ハガキに季節の花の絵、良いですね〜 私も描きたいですが難しくて、、、

◎いろはさん
爽やかな風を感じていただけましたら嬉しいです。
真夏のギラギラも描いてみたいのですが、
炎天下を避けた結果、ちょっと大人しい夏の一枚です。

◎engridさん
原理は簡単なのですが、
明度や彩度、それと色相には無限の巾があり、
それらが組み合わされるとさらに厄介なことになりますね。
まずは、それらの要素をできるだけシンプルに捉えることかと思います。

by e-g-g (2015-09-12 19:05) 

e-g-g

◎yumiさん
>厄介な絵・・・
yumiさんのほうがよほど厄介な絵を描いているではありませんか!
面倒くさいことの嫌いなワタシは、つい簡単な絵を描いてしまいます。
色も明るさも(暗さも)、できるだけシンプルに捉えたいと思うものの、
なかなか難しいですね〜
こればかりは数をこなさないとイケマセン。
それと思いっきり良く割り切る度胸も必要ですね。
この絵では、まだまだですが。

◎OJJさん
実際のこの風景はけっこうノッペリとしているのですよ、
そんなときは目のフィルターの出番です。
黒板ジャック、、、あんなに大きな絵、いちど描いてみたいですね〜

by e-g-g (2015-09-12 19:18) 

e-g-g

◎dekoさん
カメラマンと一緒に仕事をするとき、
もっとメリハリをつけて!とか、コントラストをより強くして!
などと勝手な注文をつけますが、
いざ自分で絵を描いてみると、
そのあたりの思いっきりの無さに愕然とします。
明暗のコントラストは水彩画を始めて以来、
ずっといちばん大きなテーマだったはずですが、
どこかで目の前に見える色や形に捕らわれていたような気がします。
これからはもっと意識的に向き合いたいものです。

by e-g-g (2015-09-12 19:24) 

響

キラキラの水面が綺麗ですね。
磯の香りがしてきそうです。
by (2015-09-13 02:51) 

風の友

写真と異なり水彩スケッチって、どうしてこう心を和ませてくれるんでしょう!
心が洗われる思いです。
by 風の友 (2015-09-17 13:23) 

e-g-g

◎響さん
ハイ、キラキラは綺麗です。
でもしかし、描くとなるとなかなか難しいのですよ。。。
磯の香りですが、海の近くに住んでみると意外と感じなくなってしまいます、
って、これは私の鼻が鈍感???

◎風の友さん
風景を描き始めた頃は「見えるまま」にとらわれることもありました。
でも、正確に描くだけなら写真で充分、
見えたままとは違っても、感じたままを描ければ良いのですね、
まぁ、それがけっこう難しいのですが、、、

by e-g-g (2015-09-17 18:29) 

yoko-minato

色から感じ取れる完成はやはり
画家さんの感性なのだと思いました。
私などきれいだな~とうっとりするだけ。
この海のキラキラ感、伝わりますね。
惹かれる絵でした。
by yoko-minato (2015-09-18 06:23) 

アールグレイ

爽やかさを感じる素敵な葉山の絵ですね。
キラキラとした光が美しいです。
こんなところで過ごしてみたいと思うことです^^
by アールグレイ (2015-09-18 20:22) 

chiho

葉山は行ってみたいと思いながら
まだ果たせていません。
素敵な風景画にファンタジーが膨らみます♫
by chiho (2015-09-18 20:50) 

レイン

この絵で最も明るい部分は船の底部の反射ではないでしょうか。
その光を描くことがこの絵の全てだと思いました。
by レイン (2015-09-19 00:17) 

lamer

絵を書き始めたのは水彩でした。
絵を掻く材料のうちでは水彩絵の具が一番難しいと自分では思っています。
e-g-gさんの作品を拝見していると優しい気持ちだけが伝わって来ます。
素晴らしいな〜ていつも感じて楽しませていただいています。
by lamer (2015-09-19 16:54) 

e-g-g

◎yoko-minatoさん
>きれいだな〜とうっとり・・・
私もそうですよ。
で、その感覚はどこから来るんだろう?と、
ちょっと止まって見る、その繰り返しですね。

◎アールグレイさん
すっかり秋めいてきました。
海もこれからはどんどん透明度が高くなっていきます。
秋空の日、また行ってみましょう。

◎chihoさん
葉山、落ち着いて良いところですね、
鎌倉、逗子、葉山、と少しずつ違う表情も魅力です。

◎レインさん
>最も明るい部分は底部の反射・・・
一番明るいのはどこか?描く際に最初に決めることですが、
たしかに、この反射がトップです。
実際には空の雲など、もっと明るいところはありますが、
あくまでも印象ですからね。
朝の早い時間だったら、あるいは夕暮れ時だったら、
もっとドラマティックな光景に出会えるかもしれない、
と思ったりします。

◎lamerさん
小学生の頃の不透明水彩、高校美術部時代の油彩、
デザイン学校時代のポスターカラー、カラーインク、そして水彩。
書き出すときりがありませんね。
そして20代の頃、広告やデザインのラフ案を水彩で描いていました。
これは絵というよりも説明図に近いものですが、
そのときの「慣れ」が下敷きになっているのかもしれません。

>優しい気持ちだけが伝わって・・・
ありがとうございます。
この先も、ホッとする、そんな絵を描いていきたいですね。

by e-g-g (2015-09-25 11:27) 

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