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ブルックナーに引き込まれて。 [聴く・クラシック音楽]

20150407_akarenga.JPG


ブルックナーの第7交響曲を繰り返し聴いている。
外出時はスマートフォンのファイルを聴き、
クルマに乗ればCDをセットして、
デスクに座ればパソコンの貧弱なスピーカーを通し、
そしてたまにはタンノイを鳴らして、とにかく四月はブルックナー漬け。
(いまも、Youtubeからショルティとシカゴシンフォニーのライブ録音が流れている)

4月になってから時計の針が逆戻りしたような寒さが続いている。
雲は切れ目なく空を覆い、
ときおり現れるわずかな明るさもさらに広がることは無く、
そのまま厚い雲に呑み込まれる。

そんな空模様とブルックナーにどんな関係があるか分からない。
いや関係などまったくない。
でもしかし、あの雲の向こうにはきっと明るい光があるはず、
というごく平凡な感想と、ブルックナーの旋律や音色が
何とはなしに結びついてしまう。

パウル・ベッカーは(*)
“ 芸術(音楽)体験において、人はあらかじめ自分の
 中にあるものを再認識しているだけなのだ” としている。

さらに、
“ ・・・一見新しく見えるものも、実はこれまで意識して
 こなかったものが突如として意識されるようになっただ
 け、以前から暗がりの中でまどろんでいた内面の領域に
 突如として光が当たっただけなのだ・・・”と。

さてさて私のどこにブルックナーの7番に反応する因子があったのだろう。
などと考えながら、またスケルツォの響きとリズムに呑み込まれる。

(*)岡田暁生『音楽の聴き方』より引用
  実はこの本、けっこう難しくて確かに読んだものの、
  頭に残っているものは極めて少ない。要再読である。

Youtubeに比較的に音質の良い演奏があります。関心のある方はどうぞ
ブルックナー 交響曲第7番 ホ長調
カラヤン/ウィーンフィル 録音:1989年

第1楽章 アレグロ・モデラート(19分40秒)

第2楽章 アダージョ(23分15秒

第3楽章 スケルツォ(10分11秒)

第4楽章 フィナーレ(13分00秒)

*写真は4月7日の横浜・赤レンガ倉庫 冷たい雨と強い風、ほとんど真冬の天候。
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コメント 10

takenoko

タンノイのスピーカーをお持ちなんですか。素晴らしい音が出るでしょうね。
by takenoko (2015-04-17 06:11) 

mimimomo

おはようございます^^
やっと、昨日今日は春らしい暖かさになっています。いや~寒かったですよねぇ~
 最近滅多に音楽を聴くことがないのですが、聴くときはパソコン。夫に
「よくそんな音で聴けるなー」っと皮肉られるほどの音に耐えられるわたくし(__;
by mimimomo (2015-04-17 09:06) 

ジル

あ、なんだかクノップフの風景画みたい。
by ジル (2015-04-17 12:44) 

アールグレイ

そのときの気分で、無性に聴きたくなる音楽ってありますよね。
私も、そんな気持ちを大切にしながら流しています♪
by アールグレイ (2015-04-17 13:17) 

moz

e-g-gさんもブルックナーなんですね。
じぶんも今年はブルックナーを久しぶりに聴いています。日フィルですが、インキネンさんを追っかけで聴いていて、今度7番を振るんです。
そのチケットを早々と買っているので、予習のつもりで聴きはじめました。
ショルティなんですね。
ぼくはヴァントとクレンペラー、そして最近、ヤンソンスのも聴いています。
質実剛健、アルプスの峰々に雪が降り積もっている感じのヴァントに比べて、音が優しくて、こんなブルックナーもいいな等と ^^
なるほど、本も同じですが、聴くのも内面の必然性なんですね。持っているもので感じるし、認識するんですね。
色々と経験すればするほど、色んな聴き方ができるんですね。 ^^
by moz (2015-04-18 07:44) 

e-g-g

◎takenokoさん
もう20年近くも前のスターリングです。
弦楽器を表情豊かに表現して欲しい、と求めました。
昨今は小さくても良く鳴るスピーカーが増えましたが、
やはりいちばん落ち着いて聴くことが出来ます。
ただ、その時間をなかなか作れないのが問題です。

◎mimimomoさん
“ そんな音 ”から、良いものを聞き分ける力、これも才能です。
春らしくなってきました。
逗子ではウィンドサーフィンの大会があるとか、
午後から散歩がてら見物に行きます。

◎ジルさん
クノップフ、、、さて『見捨てられた町』あたりでしょうか、
そう言われてみれば、そんな印象もありますね。

◎アールグレイさん
言葉になる以前の、衝動に似た感覚、
音楽を欲するいちばん素朴な動機かもしれませんね。

◎mozさん
ライブの7番、う~ん、良いですね~
ショルティはたまたま見つけたソースで、あまりピンと来ませんでした。
本当はジョージ・セルとクリーブランド管の録音があれば良いのですが、
このコンビでは3番と8番だけなんです。
でも昨夜、うっすらとした記憶を頼りにCD棚を探してみたら、
セルとウィーンpoのライブ盤が見つかりました。
今日、どこかで時間を作って聴こうと思います。
それにしても、この7番は、いや7番もでしょうか、
指揮者によって表情が大きく変わりますね。
また最近に近づくほど、優しさの比重が高くなっているような気がします。
未聴のヴァントとヤンソンスも大いに興味ありです。

>色々と経験すれば・・・
同じ音楽でも若い頃の印象とまったく違うことってありますよね、
もちろん音楽経験が増えたせいもあるかもしれませんが、
生きていくことの経験値の全てが、そこに映しだされているのでしょう。
そんなことを考えると、経験はたぶん多い方が良いのでしょうが、
その実質がよほど大事なのでしょう、と しみじみ思います。

by e-g-g (2015-04-18 17:33) 

タックン

赤レンガ倉庫 寒々とした雰囲気が伝わってきます。
本当に4月としては寒い日が続いていますね。

このように好きな音楽を語れたらいいなぁと思いながら
読ませていただきました。私は聞き流すだけです^^ 
by タックン (2015-04-19 08:48) 

e-g-g

◎タックンさん
語るというほどのこともないですが、
ある特定の音楽に惹きつけられた感覚、
それを、ただ単に “良かった” “好き” というだけでなく、
もう少しきちっと掴んでおきたい、そんな気持ちです。
このブルックナーの記事は、まだその入口の前で逡巡している段階、
この先が楽しみです。けっこう疲れますけれど、、、
by e-g-g (2015-04-20 23:13) 

JF

ブルックナーって難しいイメージだったんですが・・・
いいですね・・・なんか、しっくりきます。
きれいなんだけど、きれいでおさまってないところ。
何回かに分けて聴かせていただいてます。



by JF (2015-04-29 18:25) 

e-g-g

◎JFさん
重くて長い、ブルックナーにはそんなイメージがありますね、
でも、あるときふっと豊かな音楽が聞こえてくる、
そんな気がします。

by e-g-g (2015-05-15 16:43) 

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