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包む ー 日本の伝統パッケージ展 [絵の周辺と展覧会]

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藁、竹、笹、木、土、紙、それと布、
プラスティック製の容器が登場するまで、ものを包むのはそんな自然素材だった。
江戸や明治の時代の話ではない、
つい50年くらい前まではそういう「包み」が身の回りに溢れていた。
目黒美術館の『包むー日本の伝統パッケージ展』は、
そんな日本の伝統的パッケージの数々を見せてくれる。


中学生の頃(1960年代はじめ)、学校の帰りに寄るお好み焼き屋では、
おばちゃんが焼き上がりを新聞紙にくるんでくれた。
そのあつあつのお好み焼きには、ときどき新聞のインクが移っていた。
明け方に農家のお母さんが売りに来る納豆は、小学生の頃の記憶だ。
寝ぼけまなこで窓から受け取る「商品」は、もちろん藁にくるまれていた。
そんな長閑な日常が変わったのは、いつ頃からだろう?
1964年の東京オリンピックを前にして、街をきれいにすべし!という大号令?のもと、
コンクリートと木でできたゴミ箱が街から消え、
変わってプラスティック製のゴミ容器があっという間に広まった。
プラスティックやフィルム製の容器が使われ始めたのも、たぶんこの頃だろう。
当時、ヒットした粉末ジュースの素もフィルム包材に入っていた。

保存性(傷まない、長持ちする)、運搬性、それと使い勝手、
あらゆる面でプラスティックやフィルムには圧倒的な利便性の良さがある。
牛乳瓶から紙パック、上の写真にもある「卵つと」から
衝撃にも強いプラスティック製の容器、、、
数え上げたらきりがないが、ともかく、新素材は身の回りに溢れ、
それにつれて暮らし方も変わった。 
*「つと(苞)」は「包む」と同じ語源:

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今回の展示は、デザイナー岡秀行氏(1905〜95年)の
コレクションを紹介するものである。
我々の間では、岡さんといえばかつてオカスタジオという戦前から続く
デザイン会社の代表として記憶されている。
(私の友人にも、そのスタジオに籍を置いたデザイナーが何人かいる)
その岡さんの『こころの造形』(美術出版社・1974年刊)という本が手元にある。
これは、以前から折にふれて見かえしてきた本だ。
そのなかのいくつかは、なんとか実物を見たいもの、とずっと思ってきた。
上のチラシの「卵つと」もそう、
それから骨太の筆文字が印象深い「白外郎」などなど。
それらも含めて、これまで写真でしか見られなかったほとんどを、
実物で見ることができた。
見るだけでなく触ったり持てたりすれば、どんなにか良いものか、
とも思うけれど、ま、これは貴重なモノたちだからいたしかたあるまい。

それにしても、みんな手間ひまをかけた仕事だ。
中身が崩れないように、あるいは少しでも見栄え良く、
あるときは祝いの印を形にして。
ともかく、暮らしに沿いながら、そして丁寧な形の追求が見える。
それは外連味のない素直な心と知恵の表れである。
はたして、今のパッケージにその「つつむ心と知恵」が生かされているだろうか?

パッケージデザインの仕事では、たとえばフィルム包材に、和紙の風合いを出したい!
などと言って、印刷やら加工やら、
いろんな「手」を使ってなんとかそれらしく見せようとする。
そんなとき本物の和紙を使えれば、とふと思うこともある。
が、大量に作って、大量に売って、しかも安全性を保証するとなると、
もう昔の「包み方」に戻るわけにはいかない。
それでも、それがすべてだろうか?と、つい考えてしまう。
今は忘れてしまったモノ(中身)の良さ、それを包む精神が、
たしかにある時代まではあったこと。
そんなこんなに思いを馳せるのも、まったく無意味なこととは思えない。

  *

  そこでは「包まれる中身」以上に「包むこと」自体が
  重要な意味を持っている。
  「包む」ということが実用の域をこえて象徴的な価値を持つようになり。
  その技巧が高度化するにつれて包むという行為の職能化が生じた。

  *

  日本の伝統パッケージは
  「日本人がどんなに美しいものを創り出してきたか」を
  無言のうちに証明しているようである。
  そしてまた
  「ものを包むのに何より大切なことは知恵と愛情だ」ということを
  教えているようでもある。

  *

  伝統パッケージから私たちが受け取るべき示唆は、
  結局、物質的繁栄のみではない解決しきれない
  「人間の心の充足」についてである。
  伝統パッケージとは、「包む心」の外に表れたかたちなのだ。

  *

  自然と人間の対決という形で文化を形成してきたのが西欧なら、
  自然の懐に抱かれ、人間自身もまた自然の一部として、
  そこに溶け込んで生活してきたのが日本人である。
  日本の伝統パッケージにおける最大の特徴は、
  他ならぬこの自然観であろう。
  人間と自然を対立するものとしてとらえず、
  本来一体のものとして考える日本人固有の自然観は、
  これから人間社会をどのように構築するかという重要課題に取り組むとき、
  大きな手がかりになるのではあるまいか?

  〜『こころの造形』岡秀行より〜


『包むー日本の伝統パッケージ展』
会期は4月3日まで、最終日近くには目黒川の桜も満開になると思う。


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よしあき・ギャラリー

何かにつけ、昔の方が良かったな~と
こんな傾向が強くなっています。^^;
by よしあき・ギャラリー (2011-02-27 06:12) 

mimimomo

おはようございます^^
『包む』 わたくしは一番に風呂敷が思い浮かびます。
今でも偶に使いますが^^
自然素材で『包む』って『和み』ですね。
by mimimomo (2011-02-27 07:00) 

ameya

とっても興味ひかれる展覧会ですね。
出かけてみようかなと思ってます^^
by ameya (2011-02-27 07:11) 

krause

これは興味深い展示会ですね^^。
by krause (2011-02-27 07:56) 

春分

パッケージデザインをする知人がおりますので、意識は高いつもりです。
そして技術面からもいろいろ知っているものですから、素材についても
興味が尽きない。古いものだけがいいわけでなく新しいものだけがいいの
でもない。いろんな知恵と、おっしゃるような自然との折り合い、共生が
そこにあると思います。
by 春分 (2011-02-27 10:07) 

いそしぎ

面白そうな展覧会ですね。
ポスターのタマゴの包み方も面白いですね。
“包む”という響きは温かく感じます。
by いそしぎ (2011-02-27 14:50) 

カズ−

確かに学校帰りに買った焼き芋や肉屋さんのコロッケは新聞
に包まれていましたね。
昔のパッケージングのシンプルさも好きですが、よくぞここ迄
考えたなと言う仕掛けの凝ったパッケージングもあって、最近
のものも捨てたものじゃないなと思います。

by カズ− (2011-02-27 17:06) 

井上酒店

日本の包むと言う文化はこれからも大事にしていきたいですね。
by 井上酒店 (2011-02-27 19:50) 

e-g-g

◎よしあき・ギャラリーさん
昔のものの良さは、じわじわっときますね、
味わい深い世界を、もっと知りたいものです。

◎mimimomoさん
この展示にも、二本の一升瓶を要領よく美しく風呂敷で包んだものがありました。
融通無碍の美しさですね。

◎ameyaさん
ここは最寄り駅からちょっと離れてますが、
桜の咲く頃など、良いかと思います。

◎krauseさん
展示品の数がちょっと多いかな?と感じました。
少なければ少ないで文句を言いそうですが、、、

◎春分さん
今のパッケージングの精度は実に高いですね、
その行程の緻密さには、ビックリすることも多いです。
また、細かいところまで気の配られた「つくり」を見ていると、
やっぱり日本の物づくりなのかな、と思うこともあります。
海外製品には大雑把なパッケージングもありますし。

包む仕組みそのものは新旧問わず似たものも多いですね。
旧いモノに潜んでいる知恵を見つけ、
新しい包み方に活かすことも大切と思います。

◎いそしぎさん
「タマゴの包み」は山形県庄内地方と説明がありました。
会期中、これを実際に作ってみようというワークショップも
開かれるようです。

◎カズーさん
今も昔も包み方とかパッケージというのは、
つい、仕掛けを考えたくなるんですね〜
中身にたどり着くまでの期待感を膨らませる、
という心理もあるでしょう。
でも、パッケージはあくまでも中身、
これがちゃんとしていないとイケマセン。
昔の焼き芋やコロッケ、
これは中身に偽りがありませんでしたね。
オナカ、空いてたし、、、

by e-g-g (2011-02-27 20:21) 

e-g-g

◎井上酒店さん
この展示ですが、お酒関係もずいぶんとありましたよ。
立派な「こもかぶり」から、全国各地の地酒まで、
お菓子と並んで多かったですね。
きっと昔も大切なものだったんでしょうね。
by e-g-g (2011-02-27 21:06) 

鋭理庵

e-g-gさん、nice!とコメントありがとうございます。

金沢文庫で3月6日まで運慶の仏像展をやっています。各地の仏像館からの展示で一見の価値ありです。真如苑からの大日如来像はオークションで海外への流出寸前に日本に残ったとニュースで騒がれたのを覚えています。下記URLご参照下さい。

http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenjiannai.htm

子供の頃、云い付けで買い物に行かされ、魚屋は経木、肉屋は竹の子の皮を使っていた記憶しております。
by 鋭理庵 (2011-02-28 05:56) 

しろのぽ

この「卵つと」、ワタシもチラシをまじまじと見てしまいました。
最近ふろしきが見直されたり、クリスマスシーズンにラッピング用品のお店に行列ができたりするのを見ると、「包む」心はまだ残っているのでは・・・と思いたいです。
それにしても、中身を出したら用済みのはずのパッケージをとっておく、デザイナーの嗅覚がさすがですね。
by しろのぽ (2011-02-28 08:19) 

海を渡る

子供の頃、納豆は麦わらでした。
お菓子やパンはわらばん紙や新聞紙を袋状にしたものでした。
風呂敷ももちろん使っていました。
ものを包むのに、心がこもっていましたね。
by 海を渡る (2011-02-28 21:31) 

ナツパパ

包まれる感覚って心地良いことを思い出しました。
見ていても、上手に包まれているものって気持ちよさそうですね。
by ナツパパ (2011-02-28 23:02) 

gwan3

パッケージデザインに限らず、ケレン味のなさに美しさを求める感性は、そのモノの本質を見通そうとする本能のようなものでもあるのかもしれませんね。
そのモノが内包する可能性を、意識せずとも探っている心があるような気がします^^
by gwan3 (2011-03-01 11:18) 

miopapa

私も、
「包む」と言う点において
風呂敷ほど素晴らしいものはないと思います!
祖母や母から習った
スイカに始まり、一升瓶の一本包み、日本包みの方法など
今でもハッキリ覚えています!!

by miopapa (2011-03-01 20:53) 

タックン

藁、竹、笹、木、土、紙、布
どれも土にかえっていく自然素材ですね。
ちょっと前まではこうして身近なものを上手く利用しながら
シンプルな暮らしをしていたのですね。
包み方にも美を求める日本人の感性 やっぱりいいなぁと^^
by タックン (2011-03-01 21:32) 

e-g-g

◎鋭理庵さん
ご案内、ありがとうございます。
運慶の仏像展、先々週(だったと思います)の『日曜美術館』で知りました。
なかなか貴重なものが見られるようですね。

経木や竹の皮は、いまでもけっこう使われていますね、
ただ、実用的価値よりは装飾的・象徴的な意味合いで
使われることが多いですね。

◎しろのぽさん
コンビニでも売られている慶弔袋を見たり、
仰るようにラッピングの人気をみると、
日本の「包む心」はなかなか無くならない、と思いますね。
でも、同時になんでもかんでもポンポン入れるだけのレジ袋を見ると、
包む技の衰退?も感じます。
まぁ、風呂敷で包むより、早くて手軽ですが。

用済みのパッケージ、とっておくのって場所をとってタイヘンです。
仕事で関わったものはもちろんですが、
ちょっと気になるものも捨てずにいると、すぐに大混乱です。

◎海を渡るさん
今の「包み」は、経済性、合理性を求められるため、
ちょっと油断をすると無愛想になりがちです。
製造、生産といった工程に、少しでも心を込めたいものです。

◎ナツパパさん
>上手にくるまれているものって気持ちよさそう
まったく、そのとおりなんですね。
包材や包み方に過不足がないと、
見た目も美しく、扱いもしやすくなります。
これは、昔も今も変わらないパッケージの大原則ですね。

◎gwan3さん
昔の「包み」も今のパッケージも、
つまるところ「中身」なんですよね。
中身が良ければ、ちゃんとした包み方も生まれます。
中身が悪ければ、ちゃんとした包み方は滑稽となります。
そして「馬子にも衣装」が通じるのは一回だけなんですね〜
世の中、甘くありません

>そのモノが内包する可能性
人為的でないものに、そういうものがよく示されていることがありますね、
たとえば「みかん」の中身と皮の関係などなど。

◎miopapaさん
融通無碍、これが日本の包み方の大きな特徴でしょうね、
風呂敷はその典型と思います。
今回の展示にも風呂敷を使った「包み方」は何点か展示されていました。

◎タックンさん
結局、自然素材のほとんどが石油製品に変わったわけですね。
一度の料理でゴミとして出る「包み」を見ていると、
便利だし、衛生的だし、でも、なんだかなぁ、と、思います。
でも、単純な後戻りも出来ません。
いろいろと工夫が必要なのでしょう。

by e-g-g (2011-03-02 13:48) 

とりのさとZ

 贈答品などは、きちんと包装紙で包まれていると思います。

 これをセロテープなどをカッターナイフで切って、また使えるかのようにきれいに開く癖が私、まだ続いています。(結局、メモ用紙にもなりませんね)

 海外での包装紙事情、どんなのでしょうか。

 実体だけでなく、その外形も手を抜かないというのは、職人技でもあるし、或る意味では、独自の文化的価値観があるように感じます。

by とりのさとZ (2011-03-02 18:19) 

あら!みてたのね

こんばんは。
「包-日本の伝統パッケージ展」のポスターデザインが素晴らしいですね♪
流石に著名なデザイナーの作品ですね。。。
いつもお越しいただきniceありがとうございます。^^;
by あら!みてたのね (2011-03-02 18:50) 

OJJ

包む・・興味あります。
もし宜しかったら「風呂敷文化と袋の文化:辰巳慧著」を御一読下さい。なかなかユニークな表現の本です。
by OJJ (2011-03-02 22:49) 

SILENT

包む心
いいですねー
包みかた を見ると中身迄 保証されている気がしますねー
本も装幀が大事だし
箱も中身より価値が高い時もあり

卵つと の つとに興味を持ちました
家つと が お土産の事だとすると
卵の御進物でしょうか?

by SILENT (2011-03-03 07:35) 

スマイル

こんばんは
お越しいただき感謝です。
うーーーん、うなるほどに感銘を受けました。
包む文化は、心を包む文化
なるほど、何事も基本は心ですよね。
日本人が守ってきたこのような文化の中にこそ
日本人が本来持つよさを感じました。
文明の進歩により日本人のよさをどこかに追いやって
しまった現代。やはり日本人にしっくりくる文化を
今一度見直したいですね~
たいへんに勉強になりました。
お近くなら足を運び噛みしめたいところですが
e-g-gさんにお伝えいただき、心から感謝いたします。
ありがとうございました。
by スマイル (2011-03-03 20:22) 

Jetstream777

力作記事拝見。 !(^^)! パッケージは包む製品と同様に重要ですね。
ですから、いろんな思いがあるのでしょう。 日本ならではの伝統かも。
by Jetstream777 (2011-03-03 21:20) 

ももこ

最近、月に何回かミッドタウンに行きます、
途中のショーウインドーに、斬新なデザインのものが飾られよく見るようになりました、きっとe-g-g さんの影響でしょう、
あの缶詰に出会う時はとても愛しく思えます(*^_^*)
目黒川のお花見もいいですよね、機会を作って展覧会見てきたいです。
by ももこ (2011-03-04 01:30) 

せつこ

包む、日本文化は風呂敷ですね。
四角いのでも、丸いのでも、ビンのようなものでも、何でも包まれて…世界一と思っております。
by せつこ (2011-03-04 09:54) 

JF

自然素材のもので包まれると、愛情で包まれているような気もします。
なんとなく、自分もたいせつにされてるような、懐かしいような(^^)
日本のデザインのレベルって昔から高かったのだろうなあと思ったりします。
展覧会、行ってみたいですね。
by JF (2011-03-06 10:40) 

e-g-g

◎とりのさとZさん
デパートや老舗店には、まるで手品のように、
ササッと手際よく、
しかも美しく包んでしまう名人がいましたね、
今はどうなんでしょうか?

◎あら!みてたのねさん
記事トップはB5サイズのチラシですが、
写真違いで8種類あります。
なかなか美しく楽しいですよ。

◎ O J J さん
ありがとうございます。
ご紹介の本は、以前に書店で立ち読みした程度です。
こんど、また探してみましょう。
by e-g-g (2011-03-06 19:33) 

東雲

こんにちは。
ご無沙汰ばかりで申し訳ございません<(_ _)>

昨年 初孫が生まれて改めて思ったのですが、
「包む」という言葉の響き、いいですよね~!
おくるみに包まれて安心しきっている寝顔、
母親の手に包まれた小さなもみじ、等々・・・
「包む」=「温もり」、 そんな風に感じられます^^

最近は また 風呂敷が復活したようですね。
模様も包み方も今風で、若者にも人気があるのだとか・・・。
by 東雲 (2011-03-08 17:14) 

e-g-g

◎SILENTさん
包まれるもの・包むもの・包み方、
この三つが過不足無く調和するのが理想でしょう。
これは新旧を問いませんね。
「つと」については、あまり詳しくないのです。
これから勉強しないと、、、

◎スマイルさん
お読みいただき、ありがとうございます。
過剰包装や不親切な包装を見ると、
もう少し心を大事にしないと!と思います。
でも、よく見れば「新しい包装」にも、
気配りの効いた良いものがありますね。
作る立場、使う立場、両方の目が大切なのでしょう。

◎Jetstream777さん
機能性や合理性だけでないのが、
日本の伝統的な包み方の特徴でしょう。
水引などに代表される象徴性も、
なかなか奥が深いですね。
by e-g-g (2011-03-08 19:50) 

e-g-g

◎ももこさん
大袈裟に飾り立てずとも小粋で良いセンス、
景気の芳しくない今は、
かえってデザインの洗練度が上がるかもしれません。

ところでミッドタウン、滅多に行きません。
少しはベンキョーしないと、、、

◎せつこさん
風呂敷とそれを上手く扱う人の手、
この技は消えないでほしいですね。

◎ J F さん
建築、衣装、生活具、包み方などなど、
自然と折り合いを付けながら上手く使いこなす、
日本の伝統でしょうか。
by e-g-g (2011-03-08 23:35) 

e-g-g

◎東雲さん
もうご存じかもしれませんが、
「包」の字形、白川静の『常用字解』で調べると、
“ 人の腹の中に胎児のいる形。包(冠の部分)は
 横から見た人の形。
 巳は胎児の形で、上部は頭の形であるから・・・
    <中略>
「はらむ(妊娠する)の意味から、
「つつむ、いれる」の意味となる ”

と解説があります。(己は本来は巳だそうです)
「包」は意味も字形も母親と子供の関係そのもの、
たいへんに分かりやすいですよね。
きっと初孫ちゃんも「包み」のなかで
すくすくと育っていくことでしょう。
by e-g-g (2011-03-09 11:21) 

東雲

e-g-gさん
大変貴重なお話をありがとうございました。

実は私、白川静という方も、勿論 その方の書も
知りませんでした。
・・・で、チョット(かなり、かな?)興味が湧いて来ました。
Amazonで購入しようかどうか、目下 思案中です^^v

ちなみに 「手で包む」と書いて 「抱っこ」 ですよね。
なんだか・・・
うまく表現できませんが、ほっこりとしてしまいます。。。
by 東雲 (2011-03-09 19:00) 

e-g-g

◎東雲さん
「抱っこ」には気がつきませんでした、
でも、これ見事な文字ですよね。
『常用字解』にも“手で包むことを抱といい・・・”
とありました。

あと、泡、飽、砲、胞、庖、鞄、苞、、、
いろいろありますね。
『常用字解』は、その文字の元になった象形文字なども
載っていまして、とても楽しい本ですよ。
常用以外の文字も扱っている『字統』もありますが、
これはかなりのボリュームです。
『常用字解』も700頁以上ありますが、
比較的コンパクトで気軽に使えます。
さぁ、ポチッとしましょ。

白川さんの本は新書でもいくつか出ていますね。
私も何冊か読んでますが、なかなか面白いですよ。
by e-g-g (2011-03-10 00:32) 

Silvermac

ご訪問アリガトウございます。良くなりました。
by Silvermac (2011-03-11 06:46) 

絵かきさん

目黒美術館・目黒川・近くにお住まいのよう、
故きを温めているような、言葉いいですね。

by 絵かきさん (2011-03-11 12:19) 

ponnta1351

お久しぶりです。なかなか暖かくなりませんね。
包む、今の様な過剰包装は見直す時が来ていますね。

昔はキョウギや竹の皮にお味噌を、もみ殻に卵を。そして買い物は買い物かごを持って。風呂敷は重要な物でした。
重箱や一升瓶、何でもかんでも包みました。
興味ある展覧会の様ですね。
by ponnta1351 (2011-03-11 12:34) 

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