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ベルナール・ビュッフェ展 [絵の周辺と展覧会]

20100316_Buffet.jpg

火曜の午後、ビュッフェ展を観る、場所は目黒美術館。
展示のほとんどは1940年代、50年代の比較的に若い頃の油彩作品、
それとジオノの『純粋の探究』のための挿画。

『赤い鳥』、『ピエロ』といった原色の効いた作品もあるが、
全体としてはグレートーンの落着いた印象のものが多い。
なかではジャン・ジオノ(『木を植えた男』の著者)の
プロヴァンスの家に滞在中に描いた、
『風景』『ナンスの農場』に目が止まる。
強い線は控えめ、いつものビュッフェらしくないタッチの絵だ。
安定感のある構図と、彩度を抑えた草叢の色合いが、
落着いた静けさを感じさせてくれる。

ちょっと驚いたのが、18才の時の『波』。
見た瞬間に「クールベの波」を思い起こさせる画風は
ビュッフェといえばシャープなフォルムと黒い線、
という固定観念に一発見舞われた感じだ。
ともかく、基礎はしっかり押えている。

同時開催が『藤田嗣治展』、ちょっと得した気分の展覧会だった。
それにしても気温の高い一日、歩いていると汗ばんでくる。
なんとも気まぐれ陽気

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コメント 10

よしあき・ギャラリー

e-g-g さんの鑑賞眼の豊かさに感心しています。
by よしあき・ギャラリー (2010-03-18 05:33) 

こぎん

絵にはあまり詳しくない私でも、独自の作風で、ひと目であ~~、ビュッフェだ~!って分るのですが、
それは晩年の作品なんですね。
若し頃の作品となると・・・分からないと思います。
ダブルでかなりお得感あります。よき日でしたね~。
by こぎん (2010-03-18 18:29) 

鋭理庵

もう十五年以上も前に静岡県にあるビュッフェ美術館に行ったとき、そこの管理人?の方と「ビュッフェが好きで...」とお話していたらビュッフェが美術館に来訪時に頂いた彼のサインしたもののコピーを(多分ゼロックスでコピーしたもの)下さいました。1980年の年号がサインと共にあり、その時、何やら嬉しいような嬉しくないような複雑な気分になりました。なぜか、今も保存してあります。
by 鋭理庵 (2010-03-19 03:02) 

e-g-g

◎よしあき・ギャラリーさん
ビュッフェ展はたまたま歩いて行ける場所だったから、
というのが大きいですね~
ほんとうはもっと幅広く見たいのですが、つい。

◎こぎんさん
ハイ、お得な一日でした。
私もビュッフェは、アッあれね、という程度、
今回、若い頃の作品を見て、
おいおい、知らないことばかりだなぁ、
という次第です。

◎鋭理庵さん
今回は71点が見られましたが、
そのうちの「赤い鳥」と「サーカス」以外は
ベルナール・ビュッフェ美術館蔵です。
15年前にご覧になった絵が目黒までやってきたわけですね。
サインは絵に入っているものと同じようなものでしょうか?
こんど気付いたのですが、
ビュッフェはサインそのものも、入れる位置も、
いろいろと工夫していますね。

by e-g-g (2010-03-19 16:57) 

ももこ

十年くらい前でしたか、沼津の奥?にある美術館行った事がありましたが黒い線で描かれた、独特の絵がいまだに印象的でした。
なかなかその後行く機会がありません。
by ももこ (2010-03-20 21:33) 

be-sun

4/11までですね 行ってみます
by be-sun (2010-03-21 17:46) 

雅子

是非行ってみたいと思います。
目黒区美術館はチェックしてませんでした。
ありがとうございました!
by 雅子 (2010-03-29 00:02) 

masa

私もチェックしていました
好きな藤田嗣治さんの展覧会の情報があったので。。
でも今週は目黒川の桜見の方で混みそうですね
最終に行ってみようかな ^^
by masa (2010-04-01 16:11) 

JF

ビュッフェといえばシャープなフォルムと黒い線・・・私もそういう印象でしたから、強い線は控えめというのに惹かれますね。
ジャン・ジオノ・・・私、読まなければ。最近読書をサボっております。
挿絵なども展示されていたのですね。とても魅力的な展覧会ですネ(^^)
by JF (2010-04-10 11:49) 

e-g-g

◎みなさま
コメントを頂きながら、
とんでもなく遅くなりました。スミマセン

◎ももこさん
実はビュッフェはあまり関心が無かったので、
静岡のビュッフェ美術館のことも、
よく知りませんでした。
こんど機会があれば、、、

◎be-sunさん
気がつくと今日まででしたね、
最後は、たぶん賑わったことと思います。

◎雅子さん
この美術館はできた頃はかなり意欲的な
プログラムだったのですが、
最近はどうなんでしょう?
近くでもありますし、期待したいところです。

◎masaさん
目黒川で桜に揉まれて、そのあとビュッフェというのも
良いかもしれません。
あっ、もう終わっちゃいましたね、、、

◎ J F さん
展示されている大半は、やはりビュッフェらしいものでした。
それだけに、ちょっと違った作風の絵は目につきました。
読書ですか、、、
最近はお腹にずしんと響くものを読んでません、、、
コマッタ コトデス

by e-g-g (2010-04-11 20:39) 

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