桜田門の石垣。 [水彩画とスケッチ]
桜田門、その内側にある桝型と呼ばれる広場から見る石垣。
描くようになってからも、カメラを持ち歩いていたときも(今も使うけれど)石垣を見つけると、描きたくなる、撮りたくなる。
5月4日の午前中の三時間あまり、都心の真ん中を自転車でうろうろした。青山、神宮外苑から信濃町を抜け、迎賓館の前庭を見物してから四谷へ。クレーンが倒れる事故のあった麹町を過ぎればすぐに半蔵門。ガラガラに空いた道はいたって走りやすい。が、カーナビの指示に急に気付いたように唐突に左折する観光車には要注意。
お堀端は、ウォーカー、ジョガー、ランナー、それにサイクリストの天国。もちろん東京見物の人々も多数。暑くもなく寒くもなく、しかもほぼ無風、やっぱりゴールデンウィークというのは一年の中でも最良の時期のひとつなのだろう、と実感。
その人の流れ(といっても混雑はしていない)に沿って桜田門をくぐる。考えてみればこの門の前はよく通るけれど、歩いてこの門の中に入るのは初めての経験だ。それはともかく、普段、警視庁の方から見えるこの門は高麗門というらしい。門を入ってすぐに右に折れると渡櫓門が目に入る。絵を描いたのはこの二つの門の間の広場の隅。
なんでも兵の待機場所だったらしいこの広場、人の流れからほんの30メートルくらいしか離れていないし、段差や仕切りといったものも無いのに、人の気配もざわめきもまったく無くなる、なんとも不思議な静けさに包まれた空間だった。ときおり、この石垣や掘りを間近に見ようとするワタシのような物好きがいるけれど、ともかく、その静けさのおかげで落着いてスケッチができた。
スケッチブックはB4版よりもわずかに小さいF4サイズ。これはデイパックに入る最大のサイズだけれど、如何せん、ちと小さい。豪快そうに見えて緻密な石垣を描くには、もう少し大きいサイズのほうが良かった。20号の丸筆でささっと描こうとすると、ちょっと窮屈。筆運びもちまちまとなりやすい。
2009年5月4日・桜田門
F4(33×24cm) ワトソン
2009-05-07 15:34
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コメント(19)
こんにちは^^
こうして拝見させて頂くと、写真にはない温かみがあって、
絵画のもつ魅力が感じられます♪
お城の石垣は主人の影響で、少し興味を持ち始めています(^_^;)
by いろは (2009-05-07 16:53)
スケッチスポットとは、描きたい場所、落ち着いて描ける場所、環境のタイミング、その短い時間を絵にする何か奇跡的な、限られた空間という感じがします。
条件をすべて満たしてくれるのは描きたいという気持ちが準備してくれるのでしょうね。
e-g-gさんの文章からこのようなことを思いました。
by のり (2009-05-07 21:17)
石垣、なんだか僕の琴線に触れます。
石のマチュエールがずんと心に響きます
by ameya (2009-05-07 21:17)
いつもnice押し逃げばかりですいません。温かみの感じる絵画をいつも楽しませて頂いています^^。
by Krause (2009-05-08 04:52)
図らずも、石垣のモチーフ、一致しました。
なるほど、モチーフを愛する気持が伝わってきて、歴史の重みも感じます。
また、勉強させていただきました。
メリハリが効いていますね。
by よしあき・ギャラリー (2009-05-08 06:39)
なるほど、F4は小さいですか?
by 匁 (2009-05-08 07:16)
石垣好きなのですね?
ぼかした感じがいいです。
小谷の棚田にも石垣ありました~~。
そう言えば、石垣って、知恵ですよね。積むのも上手い下手がありそうです。
by こぎん (2009-05-08 10:02)
e-g-gさん、石垣がお好きですね。
石垣に草が垂れているところがいいですね。
バックの石垣から、草がクッキリと浮かび上がって見えます。
油絵だと塗り重ねが容易ですが、透明水彩だとなかなかうまく行きません。
私は、こういう所でいつも苦労しています。
by はじ坊 (2009-05-08 10:23)
◎いろはさん
温かみを感じていただいて、ありがとうございます。
石垣は見ているとなにかこう気持ちが落ち着くんですね、
お城の石垣も、きっといろいろと秘めたものがあるでしょう、
知れば知るほどに楽しいでしょうね。
◎のりさん
>短い時間を絵にする何か奇跡的な、
このひとこと、たいへん良くわかります。
目の前の光景がスッと目に入ってくる、
最初の線の一本が素直に引ける、
様々なファクターが積み重なって生まれるこの瞬間は、
それを実感できるということ自体、
これはやはり「奇跡的なこと」なのだと思いますね。
ともかく、描くことは楽し、ですね。
◎ameyaさん
なにかに触れられたようでヨカッタです。
石垣は、見ているだけでも楽しいものですね。
描いてみると、その楽しさが持続するような感じがします。
◎Krauseさん
こちらこそ!でございますよ。
何かを感じて、何かを書こうとしても、
すべての方の記事にコメントを寄せることは不可能です。
「見たよ、読んだよ」のシルシでも良いのではないでしょうか?
あまり気にされずに、どうぞお気軽に覗いてください。
私も押しっ放しですし、、、
◎よしあき・ギャラリーさん
三千院ですね、、、
実はいま石垣ブームなんですよ(私の中で)
寒いあいだくすんでいた石が、まわりの木々や空気の変化に伴って、
ぐっと生気を取り戻すような、そんな感じもします。
◎匁さん
描く対象、それともちろん作者の意図や個性、
そういったことから最適のサイズは決まるのでしょうね。
私の場合、F4は、やはりちょっと小ぶりな感じです。
◎こぎんさん
石垣、好きですよう~
石垣を見るために、あの金沢城にもまた行きたい!
小谷の棚田の石垣もいいでしょうね~
しっとりと雨の降る梅雨時などに描いてみたいものです。
石垣の知恵、、、今後の検討課題にします。
◎はじ坊さん
草はマスキングインクを使っています。
ちょっと扱いにくいですが便利ですよ。
ただ、この絵の場合、左の草のマスクが太ってしまいました。
インクの粘度が高いので、ボテッとしやすいんです。
繊細な面相筆でシャープにマスクする方法を
ただいま研究中です。
by e-g-g (2009-05-08 20:02)
雨上がりのような、すっきりした雰囲気ですね^^
石垣の作業、大変だっただろうなと思いながら・・・どこか心惹かれます!
by ムーミン (2009-05-10 07:21)
絵に思い入れを感じますー。
石垣、見れば見るほど味わいがありますね。
規則正しいようでもあり、不規則でもあり。
今度機会があったらじっくり見てみます!
by HEIJI (2009-05-11 22:56)
自転車の威力発揮ですね!
F4サイズでも迫力ありますよ~
石垣の歴史まで感じる力強さ
石のいろんな表情が表現されていますね^^
by masa (2009-05-12 23:56)
◎ムーミンさん
この日は、雨上がりではありませんでしたが、
空気がカラっと乾き、ものがくっきり見えるような印象でした。
石垣の作業ですけど、積む方も積ませる方も
いろいろたいへんだったでしょうね~
◎HEIJIさん
石垣、どういうわけか描いていて楽しいんですよね~
ちょっと地味ですけどね、魅力あります。
石積みにはいろんなスタイルがあるらしいですね、
いろいろと調べてみたいものです。
by e-g-g (2009-05-13 10:58)
◎xml_xslさん
◎りぼんさん
◎cheeさん
◎青の風画さん
◎信州のりんごほっぺさん
◎KAZUYAさん
◎ヨナタンさん
◎今造ROWINGTEAMさん
◎watamiさん
◎ばんさん
◎flutistさん
◎甘党大王さん
◎mimimomoさん
◎一真さん
◎奥津軽さん
◎うささん
◎春分さん
◎若頭さん
◎U3さん
◎こぼんさん
◎甘茶さん
◎gillmanさん
◎フェイリンさん
niceを、ありがとうございます。
by e-g-g (2009-05-13 10:58)
◎masaさん
やっぱり自転車の威力はたいしたもの、
先週の土曜日、世田谷をずいぶんと歩いたのですが、
まぁ、疲れてしまって、、、
石の表情、描けば描くほど楽しいですよ、
で、とこで筆を置くかに悩みます。
by e-g-g (2009-05-13 12:01)
◎のすけの母さん
nice、ありがとうございます。
また、ときどき覗いてください。
by e-g-g (2009-05-13 12:02)
僕もふるい石垣を見るの好きですね。
切ってない石をどうやって隙間無く組んでいくかとか
不思議です。
by 響 (2009-05-14 23:30)
石垣、僕もなぜか惹かれます。
櫓や天守を支える石垣も素敵ですが、建物が消失した、城跡の石垣の方が惹かれます。美作の津山城跡、石見の津和野城が特に好きです。
by ヒロノミンV (2009-05-15 22:22)
◎響さん
石の積み方は、きっといろんなノウハウがあるんでしょうね~
いずれにしても重機のない時代、
たぶん人々が絞った知恵は、そうとうにすごいものだと思いますね。
ちょっと調べてみたいなとも思いますけどね、
奥が深そうな予感・・・
◎ヒロノミンVさん
石垣だけが残っていると、
いろいろと想像力を刺激されるのでしょうか?
見ごたえのある石垣は、
やっぱり西国のほうが圧倒的に多いでしょうね~
こちら東国は、そもそもお城そのものも
比べれば少ないですし。
by e-g-g (2009-05-18 17:10)