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運命の赤 [Colors]

レコード盤の色は黒ばかりではない。
ずっとずっと昔、赤いレコード、緑色のレコードもあった。

このレコードは、たぶん1962年頃のもの。
ベートーヴェンの運命とシューベルトの未完成のカップリング。
(クリュイタンス指揮/ベルリンフィルハーモニー)
値段は2,000円。
当時のタクシーの初乗り料金が、たしか70円くらいだから、
ずいぶんと高いものだったのだ。

このレコードを三菱電機製ダイヤトーンの
アンサンブル型ステレオで聴いた。
小さなターンテーブルに乗せた半透明の赤いレコードは、
すごく新鮮で貴重なものに見えた。
その衝撃は、今のカラフルな i Podや
Soft BankのPANTONEなどの比ではない。
ともかく、この色この音が、新しい文化を運んでくれるのだ、
そんな印象だった。

半透明な赤の色は、光の当たり方によってかなり印象が変わる。
ターンテーブルの上に置いたその色は、クラレットワインに近い。

日:クラレットワイン / 葡萄酒色
英:Claret Wine
仏:Vin Rouge de Bordeaux
伊:Rosso Violaceo
中:葡萄紅

* クラレットはボルドー産のワインの色。
 元はclear(古英語)と同じ意。

光りに透かすと、もちろん明るく見える。
その色はカーマイン(紅)のよう。


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のすけの母

おお!レコード・プレーヤー!!
いや、ここで反応すべきは、赤いレコードでしたね。
赤といえば、付録かなんかで付いていた〝ソノシート〟を思い出しました。

rossoといえば、〝rosso giallo〟は贔屓チームのカラーです。
私にとっての〝運命の赤〟です。

それにしても、レコードをかけるというその行為自体が、とてもゆったりとしていて、まさしく音楽を楽しめそうですね。
by のすけの母 (2007-06-18 22:23) 

POP

こんばんは。

性能を追い無機質化したものは多く、
失いつつあるものも多いと感じます。
YMOのサービスというアルバムは
黄色いレコード盤・・・これもなかなか綺麗です。
by POP (2007-06-19 02:08) 

いろは

こんにちは^^
赤いレコード盤、見た事があります♪
懐かしいですね〜。
ワインレッドの色は大好きで、秋のセーターはこの色を・・・。
by いろは (2007-06-19 13:58) 

響

ピクチャーレコード以外で色のついたものって始めて見ました。
ベートーヴェンの運命とシューベルトの未完成のカップリングなんてのが
存在してたのですね。
by (2007-06-20 00:58) 

東雲

私も のすけの母さんと同じように
本の付録の ソノシートを思い出しました!^^
でも 緑色のレコードもあったとは 初めて知りました。
ソノシートではない 赤いレコードも 勿論初めてですが。
この“赤”は素敵な色合いですね♪
by 東雲 (2007-06-20 04:47) 

e-g-g

◎のすけの母さん
ソノシートも、ほとんど赤でしたね。懐かしい
このレコード、運命という中味の重さと、
(当時としては)モダンな赤が、
なんだか合わないような気がしました。

プレーヤーもカートリッジも、さすがに古くなって、
最近はレコードを聴く機会も少なくなりましたよ。
このクリュイタンスの演奏も、CDで聴くことが多いです。

◎xml_xslさん お立ち寄り、ありがとうございます。

◎POPさん
あっ、黄色いレコードもありましたね。
色付きの盤から音が出ることが、なんだか不思議な感じでした。
レコード盤イクォール黒!という呪縛が強すぎたんでしょうね。

◎カフェオランジュさん いつも ありがとうございます。

◎いろはさん
この色は、たしかに秋に合う色。
「運命」もどちらかといえば秋向き、
暑い夏にはちょっと向いていませんね。
そういえば、ドーナツ盤にも色付きがありました。
納戸の奥を探すと、出てきそうです。

◎響さん
運命と未完成の組み合わせは、すごくポピュラーでしたよ。
このレコードは、当時の『暮らしの手帖』のお薦め盤を見て
父が買ったものです。
たぶん“教養の足し”のつもりだったと思います。

◎Sonia-RKさん こんにちは
お立ち寄り、ありがとうございます。

◎東雲さん
このレコード、なにしろ光の当たり方・透け方で、
まったく色合いが変わってしまいますから、
撮影にはちょっと苦労しました。
だいたいは、こんな感じの色です。

ちゃんと数えたことはありませんが、色付きレコードは
まだ棚の中に結構な数があると思います。
緑の盤もきれいですよ。
by e-g-g (2007-06-20 18:02) 

Montego-Blue

こんばんは。
赤いレコード、スケルトンなのですね。
ソノシートなら昔持っていたような気がします(笑)
by Montego-Blue (2007-06-20 23:01) 

e-g-g

◎Montego-Blueさん
遅くなりました、ちょっと忙しくてブログを開く時間もなく、、、
色付きのレコードは、みんな半透明でした。
手に持って光りにかざすと、それはそれはきれいですよ。
by e-g-g (2007-06-23 23:54) 

クラシカルな某

 おはようございます。ご無沙汰いたしております。
 赤いレコード盤、確かにありましたね。光に透かさないときの色も好きでしたが、透かしたときの色も。色合いをワインにたとえていらっしゃいますが・・・わたくしは「カシス」なるもののジュースに初めて出会ったとき、この赤を思い出しました(その後、このジュースも色合いはさまざまだと知りましたが)。アセロラ・ジュースの色だと全然違いますし。
 緑のレコードはクラシック音楽では用いられたことがあったかどうかを知りませんが、竹内まりやの盤などでお目にかかりました。光にかざすと、「薫風かおる新緑5月の休日の昼下がり」といった風情で(大袈裟)、これまた美しいですね。
by クラシカルな某 (2007-06-26 07:41) 

e-g-g

◎HEIJI☆さん お立ち寄り、ありがとうございます。
by e-g-g (2007-06-26 12:28) 

e-g-g

◎クラシカルさん お久しぶりです。
そういえばカシスの色にも見えますね。

黒、赤、緑、と、刻まれた信号は同じでも、
出てくる音の印象には微妙に影響を及ぼすでしょうね。
そんなはずはない!と思いつつも、
たとえばブルックナーの8番あたりが緑のレコードだったら、そうとうに雰囲気が違うだろうな、と。
やはり竹内まりやの緑は似合うと思います。

“随時休息。常時セル。”は、ちょくちょく拝見していますが、その幅広さと奥行きに圧倒されて、
ただただ頷いているばかりです。
また、お邪魔させていただきます。
by e-g-g (2007-06-26 12:37) 

COCO

こんばんは。

プレイヤー!
この赤のレコード盤初めて見ました。
素敵ですね~
そしてレコード、懐かしいですね!
私は好きなシャンソンやクラシック、そして余り知らないけれどジャズなどはレコードで聴くほうがいいなぁって思うのですが...
CDは便利ですが機械的な音の感じなので、レコードが一生懸命まわってジリジリ言っているのが良くって♪私だけかな...
でも、引越しの時持って来れなくて実家に置いたままです(涙)
by COCO (2007-06-27 18:59) 

daland

こんばんは。
この赤い透明なレコード。写真にも写ってますがってますが、エンジェルレーベル、東芝レコードだと思います。
この赤いレコード、静電気が起きにくく、ホコリが付かないというのが売りだったような記憶があります。

最初にやっとの思いで買ったポツプスのレコードが、ピーター・ポール&マリーのベストアルバムでした。
やっと買って、家に帰るとなんと赤い透明なレコードでショックでした。
黒光りしたレコードが当然だと思ってましたから...
でも本当によく聴きました。まさに磨り減るほどに。
とっても懐かしく思います。
どうか大切になさって下さい。赤い透明なCDなんて無いでしょうから(笑)
by daland (2007-06-27 22:11) 

e-g-g

◎COCOさん こんばんは
シャンソンもいいですね、それも古い曲。
コラ・ヴォケールさんなんていう歌い手さん、大好きです。
フレンチポップスも好きですよ、
歌詞が分からないので唄も音楽のようで。

ノスタルジーかもしれませんが、
シャンソンにせよジャズにせよ、
レコードの質感や、その回転する速度が
音楽を落ち着いて聴くという感覚に
合っていたのかもしれません。

今はパソコンのスピーカーから
ビル・エバンスが流れています。

◎daland さん ちょっとご無沙汰です
正解!エンジェルレーベル、東芝音楽工業ですね。

中袋を見ると
“エバー・クリーン・レコード”
 ・レコード界の技術的革命
 ・永久にチリやほこりのつかないレコード
 ・このエバークリーン・レコードでは
  チリやほこりによる雑音がありません。
  ですからレコードの保守が簡単です。
とあります。
雑音、ありますけどね、、、

PPMは一枚持ってますけど、
赤かったかどうか記憶が、、、
で、今見たらやっぱり赤いレコードでした。
See What Tomorrow Brings
というワーナーレーベルのものです。
by e-g-g (2007-06-28 00:47) 

tak

そういえば、レコードって、どうして黒かった
んでしょう。まあ、コスト、その他のかねあい
だったんでしょうね。

それに対して、このレコードを出した人は
どうしてワイン色にしたんでしょう。
たぶん、曲のイメージ、その他で、その方が
いいと思ったんでしょうね。

そして、それが許される時代っていうのは
やはり、余裕があったってことなんだろーなー。
私は、そう思うわけです。
by tak (2007-06-30 23:20) 

ちゃわ犬

凄いですね~ レコード 
我が家は、今やプレーヤーもなく・・・・
by ちゃわ犬 (2007-07-01 20:01) 

e-g-g

◎takさん
色付きレコードに赤、緑、黄色があるのは???です。
たぶんさほど大きな理由はないと思いますが。

塩化ビニール製のLPレコードも、それ以前のシェラックのSP盤も、どちらもカーボンブラックでした。
その真っ黒が常識だったところへ登場したわけですから、
やはり新鮮さはあったのでしょうね。

赤いレコードは静電気防止剤を含んでいて、音質が悪くなる、と言われた時代もありました。でも、当時のオーディオ、というより電蓄では、その差なんてワカリマセンでした。

◎murawawaさん
レコードプレーヤーは、もちろんかつてのように種類はありませんが、良いものが出ていますよ。
もしレコードを持っていたら、久しぶりに聴いて見られたら如何でしょう?
ゆっくり回るあの動きは、なかなかおつなものですよ。
by e-g-g (2007-07-01 20:48) 

mamire

eguchiさん、こんばんは。
パソのない生活でご無沙汰していました。

赤いレコードもダイヤトーンもなつかしいです。
赤いレコード確かに実家にありました。
うちには、テレビはなかったけれど、本当に小さい頃からステレオがあったの。
私が聞くのは、(聞かされるたのかも)ほとんどクラッシクでしたけど、兄たちは、ポップが好きでしたからこんなおしゃれなレコードもあったのかしら。
お稽古の帰りに疲れてねだったタクシーの初乗りも60円か70円だったかな。
バスは5円?ラーメン40円くらい?
ケーキやケンちゃんとバスで乗り合わせたこともあったなとか、楽しくいろいろ思い出しました。
レコードの良し悪しはあんまり分からないの。
末っ子は人様のものをお借りして楽しむ人生なものですから。(^_^;)
by mamire (2007-07-02 22:41) 

e-g-g

◎ m a m i r e さん こんにちは
LPレコードが世に出たのは1948年だそうです。
CDの登場が1982年ですから、
いま思うと、LPレコードの歴史って以外と短いんですよね。
なんだか、ず〜っとLPだったような気がしますけれど。

ダイヤトーンをお聴きでしたか!
肝心の機会そのものは、影も形もありませんが、
一緒に付いてきたテストレコードは今も持っていますよ。これも「赤いレコード」でした。
時代の色だったのでしょうか?
by e-g-g (2007-07-03 15:27) 

ポッチ

赤いレコードなんてオシャレ。「運命」と「未完成」を聴いたら、この赤いレコードを思い出すなんて素敵ですね。

>値段は2,000円。
当時のタクシーの初乗り料金が、たしか70円くらい

相当な値段ですね!それじゃ、一音たりとも聴き逃すまいと思って聴くわけですよね。耳が鍛えられるわけです。
by ポッチ (2007-07-30 15:22) 

e-g-g

◎ポッチさん こちらへも どうも
赤いレコードのモダンさ(当時は!)とクラシック音楽様の重厚さが、ちょっとアンバランスな感じもしましたよ。黒くて重い方がなんとなく有り難みがあるようで。

とにかく高かったですね〜
父親が『暮らしの手帖』を見て買ったものですけど、
しっかりと聴いていた記憶がまったくありません。
 
by e-g-g (2007-07-30 20:22) 

群馬県立女子大学演劇部

コメント欄から失礼いたします。

こんにちは、群馬県立女子大学演劇部 制作担当の王と申します。
12月に私たち演劇部は本公演として、「高泉淳子作 メランコリーベイビー」という作品の公演を行います。
そのために、各高校などに送るDMのデザインを考えていたところ、
e-g-gさんのこの「運命の赤」の写真を是非使わせていただきたいと思いまして
連絡させていただきました。

つきましては、大変急な話で申し訳ありませんが、今週末までに、使用を許可していただけるかを、お返事をいただけますようよろしくお願いいたします。部員ともどもこの写真に惚れこんでおります。なにとぞ、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

返信は、下記のアドレスまで、お願いいたします。

daiyamondodast330@yahoo.co.jp

群馬県立女子大学演劇部 制作担当 王
by 群馬県立女子大学演劇部 (2007-11-09 15:53) 

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