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持ち運ぶ音楽/F.Sinatra“Ol' Blue Eyes is Back” [聴く・クラシック以外]

 フランクシナトラは1971年にいちど引退を発表する。その一年半後の1973年にこの“Ol' Blue Eyes is Back”でカムバックする。とくに曰くのある日というわけではないが、今日はこのアルバムを i Pod に入れた。



 このときのカムバックの経緯は知らない。ただ、発売直後に求めたレコードで聴くシナトラは良かった。若いころに比べれば声の張りは乏しくなり、ジャズを歌うときのハラハラどきどきするような、ちょっとエキセントリックとも思える躍動感も無い。(落ち着いた曲想の選曲の影響もあるが)
 しかし適度に渋く落ち着いた声と語りかけるような歌い方は、当時まだ20代半ばだった私の気持ちにも素直に響いた。ゴージャスを絵に描いたようなアメリカン・オーケストラ・サウンドも気持ち良い。

 その後、2003年にCDを求め、普段はもっぱらそちらを聴いている。シナトラはこのアルバムを58才のときに録音している。いまの私と同じである。若い頃はただただ大人の歌だなぁと思っていた。人間、五十を越えると、こんなふうに枯れていくのか、とも感じた。同じ年齢になって耳に届くものは変わるだろうか?

*List
1. You Will Be My Music
2. You're So Right (For What's Wrong in My Life)
3. Winners
4. Nobody Wins
5. Send in the Clowns (from A Little Night Music)
6. Dream Away (from The Man Who Loved Cat Dancing)
7. Let Me Try Again (Laisse Moi le Temps)
8. There Used to Be a Ballpark
9. Noah


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ポッチ

EGUCHI さん、こんばんは。
シナトラのアルバムは聴いたことがないのですが、笑顔が素敵な良いジャケットですね。
情熱がほとばしるような若い感性も好きですが、年老いての枯れた味わいというのもまた違った良さがありますよねー。「年を取らなければ、出せない音」というものがありますよね。そして、聴く側にも「年を取らなければ、分からない音」というものがあるんでしょうね、きっと。そう考えると、年を取るのも悪くないですね(笑)。
by ポッチ (2007-02-03 03:10) 

e-g-g

◎ポッチさん おはようございます
若い頃のシナトラはスゥインギーだけど、声はちょっと癇に障るなぁと感じたことがありました。きっと日本人にはない声だからでしょうね。
ジャズ、ポップス系の音楽は、歳をとってからの声の変化も味わいに昇華できますね。聴き手の耳も、成熟と衰えのバランスを上手くとっていければ良いのですが。。。
by e-g-g (2007-02-03 11:02) 

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